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桜小路家の日常  作者: アオイ
1/1

雅の章

初投稿です。つたない所が多々あると思いますが

広い心で読んでいただけたら幸いです。m(_ _)m

視界が“真っ赤”に染った。


それは、不思議とゆったりと。音も無く。深々と。

見渡す限りに舞い散る“赤い”桜の花びらのように。

ただゆっくりと舞い踊っていた。



 *********************



わたしには、5歳以前の記憶が無い。

それで困った事は特になかったので別段問題は無いのですが。


わたしの記憶は“赤”と“蒼”から始まる。

見渡す限りの“赤い”桜の花びらと、兄の美しい“蒼い”瞳。

恐ろしいほどきれいな桜吹雪の中、意味も解らず泣くわたしに、優しく笑いかける“蒼い”瞳からは涙が静かに落ちていて、ただただ美しいと思った。


それが、兄との最初の思い出。


兄の涙を見た最初で最後の日は、わたしの5歳の誕生日だった様だ。

その日は、父が盛大なお誕生日会を開いてくれたそうです。と言っても、所謂旧家、名家などと呼ばれる桜小路家では上流階級のお客様が招待される社交パーティーという感じで、子供が楽しめるようなものでは無いものだから、パーティーの間、招待客のお子様達は別室に集まって遊んでいただろうけど。


わたし みやび も含め、18歳の長兄 こう 、13歳の次兄 あきら 、10歳の姉 ゆかり も一緒に。

まだ乳飲み子だった3つ下の双子の弟 れん と妹 れい は乳母に預けられていたみたいですけど。


先程から、「だろう」とか「みたい」とか言っているのは仕方ないんです。だって覚えていませんから。

これは兄達から聞いたこと。そう、この日……


“両親が亡くなった”


ということも、わたしは後から実感した。



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