第8話 私の最愛の家族
色々あったけど、私が生まれて大体3年くらい経った。
あれからは、よく妖精とも会うようになったし、植物や動物の声も沢山聞こえる。
3年間で分かったことを少し整理してみよう。
母親の名前は、ペネロペ。父の名前はジョニィ。私に兄弟はいない。
父はこの辺の農家を仕切っているらしく人望も厚い。
母は父の仕事を手伝っている。
祖父、祖母共に他界している。
その他は、この世界には魔法が有る事と、妖精などファンタジーな生き物が存在している。あと、この世界の言葉は喋れるし読める。
「ナノちゃ~ん? どうしたの? 難しい顔しちゃって」
「だいじょーぶだよママ」
そういえば、今日は父の仕事場の畑に来ていたのだった。が、すっかり忘れてしまっていた。
よく耳を澄ましてみると、聞こえてくるのは植物や虫たちがとても喜んでいる声だ。父はそれを知っているのだろうか。「はっはっは。そうかそうか」と言ったり「今年はいい天気だろう?」なんて言ってる。一体父にはどういう風に見え、聞こえているのだろう。
それにしても、この世界の父親は優しいなぁ。殴らないし、蹴らないし、怖いことは言わないし。それに、首も絞めない。
「うふふ」
不意に母が笑った。
「どうしたの?」
「どうもしないよ。ただ、パパがかっこいいなぁって思っただけよ」
「そっかぁ」
今年で結婚12年目なのに、お熱いですな。なんて言えないし、母に年齢のことを聞いたらきっとご飯抜きじゃ済まないだろう。
「何か考えたでしょ?」
うわぁ。勘が鋭すぎる。ちょっと冷や汗を搔いてしまった。
「な、なんでもないよー あ、あはははははははは」
「ふぅ~~~~~~~~~~~~ん」
怖い怖い怖い。目が怖い。笑ってないよ。目を合わせられない位怖い。超怖いすごく怖い。
ああ、母親ってなによりも怖いなあ。
夏休み中ですが、部活に塾に毎日ぎゅうぎゅうなので更新は遅れます。
ブックマーク17、有り難うございます!!