第4話 答え
「ちょっと待って」
「なんだい?」
彼は、さっきまでの真面目な表情とは打って変わって、またにやにやとした表情になった。
「もう死んでるはずなのに、『幽霊』って表現はおかしくない?」
そう。私はもう死んでいるのだ。
「ん~? まあ、分かりやすいように僕が君の体をそっくりにコピーしたのを映し 出してるだけだよ? 勿論、触れないけどね」
何それ? 神様ってすごいなぁ……
しかし、体の記憶と魂の記憶ってどういうことだろう。
何か違いがあるのだろうか。
「あるよ。違い」
「教えてくれる?」
「まあ、どちらかを選択する権利が君には有るんだ。どんな違いが有るかぐらい、知る権利があるだろう」
「まず、魂の記憶。
魂の記憶は簡単に説明すると、脳が覚えていること、内面的な力。君の場合、動植物の声が聞こえるのもそうだろう。
次に、体の記憶。
脳では記憶できていなくても、自然と体が覚えてしまったこと。例えば、癖とか容姿とかね」
説明を終えた彼は、にんまりと笑みを浮かべ、私に手を差し伸べた。
そして、優しく語りかけるのだ。
「君の選択は、どっち?」
「私は、」
私の選択は
「魂の記憶」
その瞬間、視界が真っ暗になった。
割と間が開いてしまいました。
すみません(><;
5月31日
読みやすいように修正いたしました。