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第2話 白い世界で
目が覚めると真っ白な空間に寝転がっていた。
病院でもない、学校でもない、自分の部屋でもなければ人の気配すらしないし、いつも聞こえる鳥や木々の声も聞こえない。
どこまでも、どこまでも真っ白な世界。
そっか、私……
「死んじゃったんだ」
誰もいない場所でぽつりと呟く。
その呟きは、響きもせずに消えていった。
「お見事。大正解~~~♪」
パチパチと拍子抜けな拍手と共に陽気な声が後ろから聞こえてきた。
……死んでしまうと幻聴が聞こえるのだろうか。
「幻聴じゃないよ。ほら、後ろ後ろ」
声に導かれるがまま後ろを向いてみると、そこには謎の少年が立っていた。
「どちら様ですか……?」
「僕は神様だよ~」
幻聴の次は幻覚か……
死んでも私の不幸体質は変わらないのか……
大体、神様なんて信じられる訳ないじゃない。
「ちょ、信じてくれたっていいんだよ!」
そんな事言われたって、あれ?
もしかして、心の中読まれてる?
「うん。読んでるよ。ついでに、君の記憶も」
どうやら、信じざるを得ないようだ。
ちょっと短めですかね。
5月31日
読みやすいように修正いたしました。