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プロローグ
人間と人間じゃないものの違いってなんなんだろう。
周りと少し違うだけで、何がいけないというのだろう。どうして僕がこんな目に合わなくてはいけないのだろう。
「私霊感があるの~!」なんて言っている子だって、ソレを見るまでは気づかなかったじゃないか。なら僕はみんなと同じなんじゃないのだろうか。
見た目だって同じようなものじゃないか。少し前までは「かわいい~!」とか言ってくれていたじゃないか。
人間の心はなんてあっけなく変わってしまうのだろう。どうして一瞬で変わってしまうのだろう。
「そんなんだったら僕は人間になんてならなくてもいいっ…!」
千歌はただただ、泣くのを我慢してそう叫ぶことしかできなかった。そうしていないと、この先やっていけないということがただわかっていたから。
そうあの日までは―…。