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見た目100点の美少女に囲まれて激アツ展開を迎えています  作者: ケイト


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コンプリート


 決戦の日。

俺達のスター卜は最悪だった。

抽選でボロボロに負けて、入店はほぼ最後からで、条件は最悪だったが、無事に四台を並びで確保する事ができた。

並び順は巡、俺、あてら、柚月になったが、これは狙ってそうした訳じゃない、番号的にこうなっただけなんだが……あてらとの約束を守れててよかったよ、うん。

 

「センパイ、座るの速かったよね」

 

「いや別にお前の隣に座りたかったとかそんなつもりじゃなくてだな、俺はこの台をさっさと取ろうとしただけで」

 

「まだ隣に座るのが速かったとしか言ってないよ? 意識しちゃってる、可愛いセンパイ」

 

「目押ちゃん、イライラするから私の先輩に変な事言うのやめてくれるかな」

 

「遠慮しないでいい、あてらがそう言ったでしょ」

 

「煩いわよこの三バカ! 口を動かすよりまず手を回しなさいよ手を!」

 

「あてら、ちゃんと打って、これはセンパイのお金で打つパチンコなんだから」

 

「そうだった……それに、今日私達が頑張らないと学費が払えないし……私がコンプリートしたら……」

 

俺の太ももにあてらの手が置かれる。

右手はハンドルを握っているので、左手で彼女の手を掴むが。

 

「大丈夫ですよ先輩、貴方のあてらはここにいますから、そんな熱い視線を……二人も見てるのに手を握るのは……大胆ですね」

 

見事に罠にハメられた。

 

「センパイ、真面目に打って」

 

「あ、あ、アンタねぇ! 私達はアンタの学費の為に打ってあげてんのよ!? それなのにあてらちゃんの手を握って……最低ッ!」

 

柚月は明後日の方向を向いてしまったし、巡からはジトーっと見られている。

 

「えへへ、先輩、大好きです」

 

「と、とにかく当てるぞ! お前ら、しっかり当てろよなーッ!」

 

 当たらない。

あてらや巡も、柚月も全然当てられてない。

まだ1時間しか経ってないが、それでも台が静かすぎる。


「全然当たらねぇな」

 

「540分の1だからね、そんな簡単に当たらないよ、センパイ」

 

「じゃあその間に将来の話でもしましょうよ」


将来の話?


「学費の問題が無くなった後ですよ」

 

「それ聞きたいわね、遊はやりたい事とか無いの?」

 

やりたい事……か。


「アンタ頭悪いんだから勉強に打ち込むとかどう?」


「うげ、それはちょっと……」

 

「どうしてもって言うなら……アタシが勉強教えてあげても」

「いや勉強したくないからパス」

 

「こんのバカ!」

 

勉強だって?

勘弁してくれ、それだけは嫌だ。

お前は頭いいから勉強が好きなのかもしれねぇけど、俺は普通に大嫌いだ。

大学に進学したのはみんなが進学してたからだし、そもそもお前が大学には行けって言うから……。

 

「ならセンパイ、私と一緒にひたすらパチンコを打つのはどう?」

 

「またパチンコか」

 

「うん、私やセンパイみたいな人間は将来就職なんて出来ない、だから、これで稼ぐしかない」

 

「人を社会不適合者みたいに言いやがって」

 

「じゃあセンパイ、自分が働く姿は想像できる?」

 

「それは……出来ないけど」

 

「考えてみて、キツイノルマにパワハラ上司、ミスをすれば怒鳴られて、何もなくても怒られる。そんな場所でセンパイはセンパイらしく生きていけるの?」

 

「ムリです」

 

「でしょ? しかもそんな生活をしながら彼女を作って、結婚するとか、センパイには絶対に無理。」

 

そういや俺って大学卒業したらどうすんだ?

やりたい事も無いし、将来のビジョンも無い。


「でもセンパイ、大丈夫。私がいる、私と一緒にパチプロになって、一緒に生活して、そのまま私と結婚」

「大丈夫ですよ先輩! 先輩は超ホワイト企業に就職できます!」

 

巡が話していた所に、あてらが目を輝かせながら入ってきた。

にしても超ホワイト企業……?

 

「はい! 給料も休日も全部先輩の望む物を用意してもらえますし、毎日楽しく暮らせます!」


「最高じゃねぇか!」

 

「ただ1年すると少し仕事が増えてしまうんですが」

 

「その仕事ってのは……?」

 

「子供のお世話です!」

 

子供の世話って事は誰かのお世話係として雇われるって事だよな?

長くは働けなさそうだが、その条件なら全然いい!

 

「その仕事って、あてらの紹介でいけんのか!?」

 

「はい! 私の紹介で大丈夫ですっ! 少し嫌味をいわれるかもしれませんが、その時は私が必ず言い返しますし、例え私の両親だとしても頭を下げさせます!」

 

「おお、頼もし……ん?」

 

なんか、今変な単語聞こえなかったか?


「先輩の就職先はぁ……私のお婿さんですっ! 永久就職ですから、安定した生活ができますよ」

 

「……あてら、それは」

 

「あ、転職は絶対に認めませんし、家の女性使用人は全員解雇しますから、私以外の女性に会うのは禁止って条件はありますけど、いい条件ですよね、先輩っ!」

 

「あはは、そう、だな? 考えとくよ」

 

「いい返事を待ってますね、先輩」

 

あてらが飲み物を取り出す為ひ自分のポーチを開く。

取り出した飲み物よりも、彼女のポーチから覗く札束に目が行ってしまった。

……金持ちだとは聞いてたけど、どんだけ金持ちなんだよお前。

 

「先輩、私を選んでくれたらこの体も、お金も、ぜーんぶ手に入りますよ」

 

あてらが胸を少し強調し、ポーチの中を見ていたのがバレていたのか見やすいように広げて札束を見せつけてくる。

 

「あわわ……その、あてら、俺は」

 

「なーんてね、先輩はお金とか体で人を選びたくないんですよね? だからこれはあくまでオマケです、先輩が本気で好きになってくれたらこんな特典がありますよってだけの話です」

 

「あてら、それは卑怯。お金の力は、ダメ」

 

「だからオマケだって言ってるでしょ、目押ちゃん」

 

「お金に困ってる遊にお金チラつかせて……」

 

「先輩、私は先輩が大好きですからね!」

 

お金とか無しにしても、あてらは可愛い。

ちょっと中身はアレかもしれないが、それでも……。

 

台からけたたましい音が鳴って、俺の意識があてらから台に戻された。

 

「センパイ、きたよ」

 

あっぶねーッ!

今俺何考えてた?

あてらに何考えてたんだよ俺!

ナイス先読み、ナイスだ俺のパチンコ台!

 

「先読みで赤保留です! すっごいチャンスですね、先輩!」

 

この台をつくってるメーカーの特徴、それは気が狂った開発者が酒を飲みながらつくったのかと思うような激しい光と音、そして何が起こっているのか分からないゴチャゴチャした演出だ。


「先輩、子供って可愛いと思いませんか?」

 

「センパイ、パチプロは私達の最後の砦、やるしかないんだよ」

 

台に負けないぐらい両隣が煩いけど……あっ!

今7のリーチ入ったよな?

一瞬しか見えなかったけど、これなら!

 

「当たった……当たったぞ!」

 

「おめでとうございます、先輩!」

 

「まだよ、この台もそうだけどラッシュが取れるか取れないかが大切だし、何よりこの台は初当たりの11%を取れないと意味ないのよ」

 

そう、この台の最大の魅力はラッキートリガーと呼ばれる爆発トリガーがとんでもなく強烈な事だ。

当たりの約11%で突入する最上位のラッシュの性能は80%継続のラッシュが3つと言う凄まじい物になっている。

 

「この台のラッキートリガーのラッシュは最低でも4500発は貰えるって事ですよね?」

 

「違う、この台は80%で継続するラッシュが3つ貰える、20%は300発しか貰えないから、最低は900発」

 

「えっと……どういう事?」

 

あてらが困惑するのも無理は無い。

このタイプのラッシュはあんまり無いからな。

 

「つまり、ラッシュの権利が3つ貰えるって事。例えば1つ目の権利で5回連続80%を取って、6回目で20%を取ってしまったとする。それでラッシュは終わるけど、あと2つラッシュの権利が残ってる」

 

「それって……普通のラッシュが3つって事!?」

 

さぁ、振り分けだ。

頼む、頼むから3つを取らせてくれ。

 

「センパイ、ボタンが赤いし、震えてる」

 

「って事は……」

 

巡とあてらの手がボタンに添えられていて、普段ボタンなんて押さないけれど、俺もそこに参加してボタンを押した。


画面にはこれでもかと虹と金色を散りばめた演出が拡がり、お前は11%を取ったぞと祝福している。

 

「センパイ、このラッシュならコンプリートも夢じゃない」

 

「流石私の先輩! カッコイイです!」

 

「がんばなさいよ、遊!」

 

そこからはすごかった。

最初のラッシュはすぐに終了してしまったが、2つ目のラッシュが続きまくっていて、今は45000発まで来た。

 

気がつけば巡、あてら、柚月も当て始めて、全員がラッシュの状態になっていた。

 

「……プロ、向いてないかも」

 

巡は最低保証のラッシュ1つ。

これは最悪で、319分の1の台のラッシュとなんら変わらない。


「私は2つです! 夫より一歩下がって支える妻を意味しているのかもしれません!」

 

「時代錯誤よ、あてらちゃん」

 

あてら、柚月のラッシュは2つ。

まぁ、これなら悪くはない。

巡は無理かもしれないが、この二人は十分コンプリートが狙える!

 

「ねぇ、全員当たってるんだからご飯にしない?」

 

「嫌だ」

 

「嫌、です」

 

「先輩が嫌と言っているので私も嫌です」

 

「もうお昼なのよ!? 午後からもしっかり頑張る為にもここでご飯食べるべきだと思うんだけど」

 

確かに腹は減っている。

だが、ここでやめると……。

 

「離席したってラッシュが終わる訳じゃないんだし、ね、遊もお腹空いたでしょ?」

 

「センパイのパートナーとして言わせてもらいますけど、今は流れが来てます。見て下さい、この輝く水晶と攻めを暗示するカードが根拠です」

 

「オカルトじゃない!」

 

「いや、巡の言う通りだ、飯に行けば流れが消える!」

 

パチンコは完全な確率で、そこに人の力が介入する事は無い。

さらにラッシュ中は右打ちだから、抽選回数を増やすような技術的介入も出来ない。

オカルト大好きな巡の考えに同意するのは少し思う所あるけれど、ここは流れに身を任せるとしよう。

 

「先輩、今なんて言いましたか?」

 

「だから、巡の言ってた通りで、流れに身を任せるって」

「目押ちゃんのパートナーって所は除く、ですよね?」

 

「センパイはそれも含めて同意してる、うん」

 

「先輩、この子は……父親無しで育てなきゃいけないんですか? 父親の愛を知らないで生きていくんですか!?」

 

「何の話をしてんだお前ら! 巡はややこしくなる話をするな! あてらは悲しそうな顔でお腹を撫でるのをやめろ!」

 

「「あっ!」」

 

そんな話をしていると、三人同時にラッシュが終わった。

巡は2万発で終了、俺はのこり1つで、あてらも残り1つ。

……落ち着け、大丈夫だ。

まだ、まだ大丈夫。

 

「ごめん、終わっちゃった」

 

「あの、私が変な事言ったから……ごめんね、目押ちゃん」

 

「こんなの確率、気にしない」


あてらも柚月もコンプリートにはまだまだかかる。

だが、俺は今7万発まで来ている。

これなら、これならッ!

 

動画でしか見たことの無い演出が流れる。

そして、画面にはENDの文字が浮かび、本日の遊戯は終了したと表示されて、俺の出玉カウンターには95000という数字が刻まれている。

 

「ッ! よっしゃあ!」

 

「おめでと、センパイ」

 

「サンキュ、巡!」

 

途中から自分の台しか見てなかったけど、あてらと柚月は……。

 

「二人共5万発まできてる、もしかしたらコンプリートいけるかもね」

 

「そうなったら借金返済していい焼肉とかいけそうだな」

 

「で、センパイはあてらの独り言の心当たりはあるの?」

 

独り言?

独り言ってなんだ?

右耳に集中すると、確かにあてらの独り言が聞こえる。


「コンプリートしたら先輩の彼女、コンプリートしたら先輩の彼女、コンプリートしたら先輩の彼女」

 

「センパイ、心当たりは?」

 

「めっちゃある」

 

「そんな約束したの?」

 

「したけど……マジでコンプリートしそうな勢いだな」

 

「コンプリートしたら、付き合うの?」

 

「……約束だからな」

 

あてらと柚月の勢いは止まらない。

途中柚月のラッシュが終わったが、アイツにはまだもう1つのラッシュが残っている。

二人共7万発まできてるし、これなら……学費全額支払ってもお釣りがくる!

 

「先輩、コンプリートしたら約束守って下さいね」

 

「もちろんだ!」

 

「なら子供の名前とかも考えないといけませんね」

 

「いやまず何人作るかが先だろ」

 

「げ、現実になりそうだと恥ずかしいですね……えへへ」

 

あてらの纏う空気が変わった。

今までの殺伐とした空気から、ピンク色のほんわかした空気になっていく。


「あてら、気を抜いちゃダメ!」

 

「あっ」

 

何度も言うが、パチンコは確率が全てだ。

だから、あてらのラッシュが終わったのは彼女のせいではない。

だけど、あてらは確実に流れを手放した。

 

「先輩が……新居で大きな犬を飼って子供達と先輩に囲まれて暮らす夢が……あぁ……」

 

「ず、ずいぶん先まで考えてたんだな」

 

「娘が産まれて先輩が娘しか構わなくなって、娘に嫉妬する所まで想像してたんです……」

 

「あてらならやりそう、面白」


「あと2万発だったのに……先輩、あと2万発分玉を私が買いますからコンプリートした扱いに」


「ダメ、あてらはコンプリートしたらって話だった、だからセンパイはそんなの認めないし、私も認めない。それじゃセンパイをお金で買うのと同じになる」

 

「……あと少しだったのに」


「はいはい、とりあえず交換行くわよ」

 

気づけば柚月が俺の隣に来ていた。

あれ、コイツもラッシュ終わったのか?


「コンプリートしたわよ」

 

スマホの画面を見ればあてらが終わってから30分近く立っている。

時速4万発と呼ばれるこの台なら……残りの2万発を出していてもおかしくない。

 

「ッッ! 柚月先輩、言っておきますけどコンプリートしたら付き合うって話は私と先輩だけの約束ですからね! 柚月先輩がコンプリートしても付き合えませんから!」

 

「はいはい、元々こんなパチンコでこいつの人生縛るようなマネしないから安心なさいな。とりあえず交換行ってくるわね、遊、行くわよ」

 

「あ、ああ! あてらと巡も後で交換来いよな!」

 

「待って先輩! 私もも一緒に」

 

「あてら、今日は柚月センパイの勝ち、私達は少し待ってから行こ」

 

「先輩……私の先輩がぁ……」

 

 

 出玉を景品に交換し、景品を現金に変えてからホールの前のベンチに座る。

隣には柚月がいて、彼女は交換したばっかりの現金を俺に手渡した。

 

「これで、学費は大丈夫よね」

 

「……マジで助かったよ」

 

「アンタって昔から本当にアタシがいないとダメよね! 学も脳も運もないんだから」

 

「うるせー……って言いたいけど、お前には助けられっぱなしだもんな、ありがと」

 

「よし! じゃあさっさと振込みに行くわよ」

 

「待て待て、まだあてらと巡が来てねぇって」


「知ってるわよ、だけど、今すぐ行くのよ」

 

柚月は笑顔を見せる。

あてらみたいな可愛さがある訳でも、巡みたいなギャップのある笑顔でもない。

 

「今日はアタシが勝ったんだから、アンタを独り占めしてもいいでしょ」

 

でもそれは一番見慣れた笑顔で。

 

「……学費の問題無くなったら次はあてらと巡の問題をどうするか考えなきゃな」

 

「アタシが……ううん、それはアンタが決める事よ」

 

一番心が落ち着く笑顔で。

 

「しっかりやんなさいよね、遊! アタシを選ぶならいつでも歓迎するわよ!」

 

一番、大好きな笑顔だ。

 

 

 

 学費の引き落としが確認されて、俺はパチンコから解放……されなかった。

 

『旅行先で使うお金の事考えて無かったから、あんたの奨学金で生活する事にしました〜☆親孝行な息子に感謝!』

 

「あ、あんのクソ両親がァァァ!」

 

生活費に次の学費のアテだった奨学金を押さえられて、俺はまたパチンコで稼ぐ生活をしないといけなくなっていた。

 

「センパイ、遅い、抽選遅れるかと思った」

 

「やっぱり朝起してあげないとダメかしら? 合鍵持ってるのアタシだけだし、次から家行くようにするわ」

 

「私ももってますよ、柚月先輩」

 

「え、あてらちゃんも持ってるの? アタシは遊のお母さんから貰ったんだけど……」

 

「私が作ったんです! 昨日試しに使ってみましたけど、開きましたから私が起こしに行きますね」

 

「犯罪よそれ! 犯罪者!」

 

「あてら、それはダメ、私にもカギを共有して」

 

「えー、どうしよっかなー」

 

「ちょっと遊! アンタも何か言いなさいよ!」

 

「えーっと……まぁアレだ、今日も頑張ろうぜ! あとあてらは鍵返してね」

 

人の鍵をお前……怖っ!

 

「そういえば昨晩は美味しいご飯をありがとうございました! 出来れば私も食べて欲しかったんですけど……」

 

「あーうん、あんなんでよかったら何時でも食いに来ていいけど」

 

「それは……先輩を食べてもいいんですか?」

 

あの目、捕食者の目をしてやがる!

人に向ける目じゃねーだろあれ!

 

「ちょっとあてらちゃんそれは抜け駆けでしょ! ダメだって言ったじゃないの!」

 

「恋に抜け駆けも何もありませんよ、柚月先輩」

 

相変わらず元気だなぁ……こいつら。

 

「それで、結局センパイは、誰を選んだの?」

 

「そうよ! 結局それ聞いてないわ!」

 

くっ……その話題にやっぱりなっちまうか。

だがな、今はまだ、いや今もまだ学費に追われててそれどころじゃねーんだっての!

 

「うるさい! 抽選に遅れるぞお前ら、さっさと並べ! いいか、いい番号を必ず引くんだぞ!」

 

「はい! 先輩の為に必ず引きます!」

 

「大丈夫、今日のラッキーカラーは黒、黒染めしてきたし……今日の下着も黒色だよ」

 

巡、へんな事報告すんな。

二人が睨んでるぞ、気付け。

 

「抽選もパチンコも運よ、気楽にやりましょ」

 

「確かに運だけどよ、心構え的な話をだな」

 

「ほら列が進んでるから、さっさと行くわよ!」

 

「あーっ!」

 

「抜け駆け、してる」

 

柚月に手を引かれ、二人で抽選ボタンの前までやってきた。

 

「一緒に押しましょ、遊」

 

「……ああ、きっといい番号が出るよな」

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