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見た目100点の美少女に囲まれて激アツ展開を迎えています  作者: ケイト


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18/26

出玉バトル おーわりっ!


 

 午後7時。

巡が何かを思い出したかのように打つのを止め、台と俺を交互に見出した。

え、何?

2000回転もハマって頭壊れた?

 

「センパイ、私はこれから用事がある」

 

「用事?」

 

「うん、とにかく用事がある、これは自主的な用事」

 

自主的な用事って何だよ。

コイツにパチンコ以上に大切な用事……はっ!

男だ、そうに違いない。

俺の励ましが届いて、自信を取り戻したんだ、そうに違いない。

だって、パチンコを止めてまで行くって言ってるもん!

 

「そうか、わかった、俺は何も言わないが一つだけ……上手くやれよな、グッドラック」


「いきなり何」

 

「言わなくていい、大丈夫、俺はお前の味方だ」

 

「絶対勘違いしてるけど、私はもう行くね、出玉バトルはまた今度」

 

「ああ、またな」

 

恋の戦場に向う巡を見送ると、これまでまったく当たらなかった台がいきなり騒がしくなった。

俺の推測が当たっていると、台も言っているようなタイミングで当ったね。

……はぁ、まさか2200回転もハマるとは思わなかったな、人生初なんじゃね、これ。

 

当った所で一度休憩を挟む。

コーヒーを買って、あてらと柚月の分のカフェオレを彼女達の所に持っていこうとしたんだが……。

 

「……嫌です」

 

「アンタは負けたのよ?」

 

「でも! そもそもこの勝負にそんな決まりはありません!」

 

二人がめちゃくちゃもめてる。

仲良くなるどころか、今朝よりも酷くなってるんだけど……。

店員も寄ってきてるし、他の客も見てるし、このままだと出禁とかになりかねん!

 

「二人共、ちょっと外で話そう」

 

俺がそう言うと、あてらが抱きついてきた。

……へ?

何で抱きつかれてんの?

 

「先輩……先輩!」

 

「と、とにかく行くぞ!」

 

柚月は無言で頷くと、店の外までついてきた。

そして開口一番。

 

「アタシが勝ったわ」

 

得意げな顔でそう言った。


「それで……何があったんだよ、柚月が勝ったのは分かるけどさ」

 

「アタシはただ間違いを指摘しただけよ」

 

「間違いじゃありません! 確かに負けたのは認めますけど、でも、だからといって何かを賭けてた訳じゃないです! だから貴女の言う事を聞く義務はありません!」

 

「……ハァ、ならここで聞いてみたら? 本人いるし」

 

「言われなくても……先輩!」

 

腕を腰にあてて俺を責めるような顔をする柚月。

そして涙目で、俺の手を握るあてら。

何この状態。


この柚月から感じる圧は何だ。

あの感じ、小学生の頃に感じたのが初めてだったかな、めちゃくちゃ怒ってる時の柚月だわ。

何で?

何であんな怒ってんの?


「先輩!」

 

「お、おう、どうした?」

 

それに比べてあてらから出る圧は……桜色でふわふわしている。

女の子って感じの……うん、可愛いなコイツ。


「私は……先輩の彼女ですよね」

 

「え、違うけど」

 

可愛いなぁ、あてら。

そして変な冗談まで言うんだもん、流れに任せず冷静に考えてたら本気で悪ノリして"はい"って答えちゃう所だったぜ。


「えっ……だって、だってだってだって! 私が最高だって、私が一番だって言いましたよね!?」

 

冗談で言ってる……感じがしない。

仮にだ、仮にこれが柚月から与えられた罰ゲームで俺に告白しているってんならまぁ分かる。

だけど、今あてらは確認みたいな聞き方をしてきた。

告白にしては変だし、あそこまで泣けるもんか?

 

「私……先輩に選ばれたんですよね?」

 

「いやその、あてらちゃん? 俺は」


「遊、言っとくけどこれは罰ゲームで言わせてる訳じゃないわよ。あくまで事実確認をしてるだけ、だから正直に答えなさい、アンタは計数さんと付き合ってるの?」

 

「付き合うってのは」

「男女の関係なのかって事! 言っとくけどパチンコ仲間として付き合ってるとかふざけた事ぬかしたらぶっ飛ばすからね」

 

「先輩、わ、私は彼女ですよね?」

 

何だこの状況、まじで頭がついてこない。

だけどここでふざけたら確実にボコボコにされるだろうし、あてらの真剣な目で見られているせいで、行動に移す勇気がまるで湧かない。

 

「男女の付き合いは無いし、あてらは彼女じゃない。でも」

「聞いた? 計数さん、これが現実よ」

 

俺の言葉を遮るように柚月があてらを責めるように発言した。

めちゃくちゃ怒ってる時の顔じゃん、そこまであてらを責める必要って……。

 

「私の勘違いなんですか? 先輩、私は……」

 

「だ、だけどあてらは」

「遊! アンタいい加減にしなさい! いい加減な事言うつもりなんだろうけど、ここは変な優しさを出す場面じゃないのよ」

 

「変な優しさって何だよ! ただ俺はあてらは可愛いんだから自信を持てって言おうとしただけだ!」

 

「それがダメだって言ってんのよこのバカ! わかってんの? アンタの今までの態度と対応がダメだったから計数さんはアンタに告白されたと思い込んで、自分はアンタの彼女だと思い込んでしまったの!」

 

対応を間違えたってのか?

……え、そう?

そんな事ある?

だってあてらとはパチンコ関係の話しかしてないし、そんな男女の話は一切してない。

 

「横取りされそうになったのはムカついたけど、思えば計数さんだって被害者よね……」

 

「……勘違いですか、先輩。ねぇ先輩、私の事、彼女にはして貰えませんか? こんなにも先輩の事が好きなのに、先輩の事考えるだけで……勘違いだって言われた今でも胸がドキドキして、苦しいんですよ?」

 

「あっ、いや、その」

 

あてらの目が、怖い。

おいおいおいおいマジかよあの目、全回転フリーズ引いた時みたいな真っ暗じゃねぇか!

今朝の目と全然違う、もはや別人!

……はっ! そういや、巡が言ってたような……。

 

『あてらの表情が消えたらもうめちゃくちゃ怒ってる。そうなったらもう終わり、ブスリ』

 

これそういう事だったのかーッッッ!

巡アイツさてはあてらが勘違いしてる事を知りつつ放置してやがったなあのパチンカス女!


「ねぇ、先輩」

 

「は……はい」

 

ブスリって何言ってんだコイツって思ってたけど、今なら分かる。

ってか体がおそらく、きっとそうだと想像していて、恐怖で足が動かない。

ブスリってのは、刺されるって事だ。

 

「責任、とって下さいよ」

 

「……」

 

柚月の奴目そらしてる!

アイツもこの空気感じ取って何も言わないようにしてやがる!

こっち見ろ、おいこっち見ろっての!

 

「無視する程嫌いでしたか?」

 

「あっ、ち、違うぞ!?」

 

頼むからこっち見ろって!

んでもって助けろっての!

 

「あの、計数さん? 確かに遊はクソ鈍感で勘違いを生むような動きしかしないクソ野郎だけど」

 

口を開いたと思ったら悪口かよ!

お前俺の味方じゃねぇの!?

 

「私の先輩を悪く言わないで下さい!」

 

「事実よ事実、だけどさ、遊は計数さんを可愛いって思ってるのも事実なの」

 

「可愛いだけじゃダメなんです! 私は可愛いです、でも、私より可愛い人は確実にいます。だから……選んで欲しいんです、私を、私だけを選んで下さい!」

 

「少しは話聞きなさい!」

 

柚月があてらの肩を掴み、あてらの目を見ている。

さっきまでの怒ったような表情じゃなくて、真剣な眼差しだ。

 

「アンタは可愛いって思われてんの! つまりここから彼女になるチャンスは確実にあるのよ」

 

「……チャンス、ですか?」

 

「ええ、それも結構な確率よ、ライトミドルの時短突破型よりは確実に可能性あるわ」

 

ライトミドルの時短突破型ってお前……50%切ってるじゃねぇか。

つーかここまであまりにも自然すぎる流れで何も思わなかったけど、柚月の奴めちゃくちゃパチンコに詳しいのか?

今日始めて打ったんじゃ……。

 

「私は今すぐに彼女になりたいんです!」

 

「何でそんな超早期決着型の時短みたいな考えなの!? いい? 恋愛は転落タイプのSTなのよ」

 

「転落タイプの……ST」

 

「そうよ、可愛いって思われてる、つまり女性として見られてるんだから確実に普通の女の子よりは有利なのは分かるわよね?」

 

「それは、分かりますけど」

 

「つまり普通よりも彼女になりやすいの。いい? 恋愛もSTも同じ、どれだけ追い込まれても、残り5回転とかまで追い込まれても最後まで諦めない、そして序盤で当てても後半で当てても結果は同じなの!」

 

「えっと……えーっと……」

 

「だーかーらー! 今ここで遊に迫って同情させても本当の恋人にはなれないの、そんなの転落引いてるのと同じ! 自分で当てに、遊を惚れさせないといけないのよ!」

 

何言ってんだコイツ。

人をパチンコ用語で丸め込もうとしてるの初めて見たわ。

あてらもさっきまでの表情の無くなった感じじゃなくて、目を丸くしてんじゃん。

 

「……分かりました」

 

分かるのかよ。

 

「先輩!」

 

あてらはペコリと頭を下げて。


「勘違いして、先輩を責めた事を謝らせて下さい!」

 

自分が悪いわけでもない理由で、俺に謝ってきた。

 

「大丈夫大丈夫、気にしてないから」

 

気にしてないと言えば嘘になるけれど、ここで変な事を言ってこの空気を壊すわけにはいかないし……何より。

 

「先輩、私は先輩が好きです、でも先輩は私を可愛いって言うだけで女性として好きじゃない。でも諦めません! 私は必ず先輩に選んで貰えるような女性になって……惚れさせてみせます!」

 

こんな真剣で、最高の笑顔を見せるあてらに対して、真剣に向き合いたいって思ったんだ。

 

「覚悟して下さい、私の恋の継続率は100%です!」

 



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