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見た目100点の美少女に囲まれて激アツ展開を迎えています  作者: ケイト


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出玉バトル そのにっ!


 「……なぁ」

 

「何、ヒキが逃げるから話しかけないで」

 

「いやお前ヒキが逃げるって言うけどさ」

 

二人揃って1200ハマりって、何?

さっきまでどっちが勝つだとか、最強のヒキとか言ってたのが嘘みたいだ。

お互いにストレートで四枚イカれてるし、全く勝負にならない。

 

「これ勝負にならないだろ」

 

「ここで油断して打つのを止めると、センパイに猫耳スク水で妹プレイを強要される可能性がある。だから続ける」

 

「お前の中の俺どうなってんの……」

 

俺と巡の底辺レベルの争いとは違い、柚月とあてらは凄まじいレベルの争いをしている。

暇だから二人の台の状態を見る為にデータを覗いてるんだけど……。

ゴトとか……不正してんじゃねぇかってレベルで二人共当てまくってるし、ラッシュもめちゃくちゃ伸ばしてる。

 

今はあてらが最高出玉36000発で柚月が33000発。

さらに驚くのはラッシュが終わっても50回転以内に二人共当ててる所だ。

 

「こいつら何? パチンコに愛されてんの? パチンコクイーンなの?」

 

「異常だよね、これ。あ、花代センパイがまた当てた」

 

「柚月の奴……パチンコヴィーナスじゃん」

 

「あてらも当ててる、女神だらけ」

 

どうなってんの?

俺と巡は1回も当ててないのに。


「センパイ、これは多分、運が吸われてる」

 

「運が吸われてる……だと?」

 

「うん。だって考えてよ、二人揃ってここまで当たらないのに、向こうの二人はずっと当ててる。確率は同じなのに、私達だけ当たってない」

 

「なるほど……いやお前それ僻みじゃねぇか」

 

「まぁ吸われてるってのは冗談だけどさ、きっと想いの力とかがあるんじゃない?」

 

想いの力?

当てたいって想いか?

 

「想いか……俺も負けてねぇんだけどな」

 

「センパイの想いは、どんなの?」

 

「勝つ事しか考えてないっての! そんでもってさ、俺はお前にも勝って欲しいって思ってる」

 

俺と巡は仲間だ。

あてらや柚月とは違う、戦場で共に戦う一つ上の仲間。

今はふざけあって勝負なんてしてるけど、お互いに勝つのが一番だ。

 

「私じゃ、ダメなんです。センパイはそろそろ決めなくちゃいけない」

 

「お前じゃダメ? いや今はまだ当ててないけどさ、俺達の行動は全て期待値的に間違ってないんだから、行動に意味あるって」

 

「私が一番期待値無いよ」

 

……バカな。

その台で期待値が無いだと?

かなり期待値のある台なのに、この程度では満足しないって事か?

それとも当てられなさすぎて精神的に弱ってる?

 

「大丈夫、お前は間違ってない、正しい行動をしてる」

 

「それは分かってる。だけど、もう私の意地だけでどうにかできる物じゃなくなってきてるのも、事実」

 

「意地でどうにかできるって事の方が少ないと思うんだけどな」

 

パチンコは運だ。

318個のハズレと1個の当たりが混ざった箱に手を入れて、当たりを引くまで出たハズレを箱に戻して同じ確率で勝負し続ける、ギャンブルだ。

ここに意地は介入しない、だけど、だからこそ全員に平等だ。

 

「俺はさ、嬉しいんだよ」

 

「嬉しい? ……ま、男からすればそうか」


男からすれば?

まぁ、冷静になって考えれば女の子と一緒に稼働できてるこの状況は……男からすれば嬉しいのか。

そんな事より金を稼がないとって考えでいっぱいいっぱいだったからまったくそんな事思わなかったけど。

 

「ああ、だって巡みたいな女の子と一緒に期待値を求めてパチンコが打てるんだからな」

 

事実、期待値で稼働する奴には男が多い。

そして何かしら変な奴ばっかりだ!

それに比べたら女の子と一緒に期待値稼働できてる俺ってすげぇ幸せ者だわ。

 

「ちょ……センパイそれ」

 

「お前と一緒に稼働できて嬉しいんだよ」

 

「私に女としての魅力なんて無い、趣味もパチンコで、将来もパチプロになる予定。あてらみたいに可愛くないし、スタイルもよくない、身長もこんなんだし」

 

はっはーん、分かってきたぞ。

コイツさては男に振られたな?

告白して失敗、さらに今日のハマりの地獄でメンタルがやられてるに違いない。

たしか柚月は……。

 

『女の子が落ち込んでんのよ! は、励ますとか……その……手、手を差し伸べなさいよこのバカ!』

 

って言ってたよな。

ここで巡が来なくなっても困るし、自信付けさせてやるか。


「でもほら、マニア受けはしそうだよな! 顔めちゃくちゃかっこいい系なのにちっちゃくて可愛いから女児服着てみたりしたらギャップとか狙えそうじゃん」

 

「何言ってんの、キモ……割とマジで今のキモい」

 

何言ってんの俺。

いやさぁ、分かってたけどなんか頭に出てきた言葉がこれだったんだよね。

でも間違ってない、うん。


「センパイって……え、本当にそういう……」

 

やっぱ発言としては間違ってるぅぅぅ!

やばい、俺全然そんな趣味無いのにめちゃくちゃ誤解されてるって!

と、とりあえず別のベクトルで褒めてみよう。

 

「普通に可愛いから自信持てよ、大丈夫大丈夫」

 

「センパイがそんなマニアならそりゃ可愛く見えるだろうけど……」

 

「さっきの発言は謝る……でもさ、お前は本当に可愛いから自信持てって!」

 

「なら、私と柚月センパイ、どっちが可愛いですか?」

 

柚月?

え、こういう時はあてらじゃねぇの?

……柚月か。

 

『このバカ! 綿菓子喉に詰まらせて死ね!』

 

『このアンポンタン! プリンで滑って死ね!』

 

『このマヌケ! エクレアで頭殴られて死ね!』

 

柚月を思い浮かべると変な記憶しか出てこない。

怒られてる記憶と、叩かれてる記憶と……。

ダメだ、全然女の子らしい所見てねぇ!

それに比べたら巡は……確かにコイツも女の子らしい所見せてないけど、叩いたりしない分普通の女の子としてはレベルが上なんじゃないの?

 

「悩んでるね、即答しなよ」

 

「少し考えてただけだろ、そこまで悩んでない」

 

「それで、結論は?」

 

「俺は巡の方が女の子らしいと思う」

 

「そう、気遣いありがと」

 

彼女は無表情にそう言うと、視線を手元のスマホに戻した。


「俺さ、励ますのとか下手だからどうしたらいいのかわかんねぇけど、お前には」

「あてらが悲しむ事はしたくない、でも、ありがと」

 

きっと俺の励ましは殆ど届いてない。

だけど、いつもの彼女に戻ったし、乱れていた保3止めも完璧になっている。


「そっか、さっさと当てようぜ、想いの力でな! いやここは水晶とお守りの力でもいい、必勝のお札とか無い?」

 

「センパイ、パチンコは全て運。バカみたいな事言わないで」

 

「お……おま……」

 

お前が言うなよーーーッッッ!

 


 

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