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見た目100点の美少女に囲まれて激アツ展開を迎えています  作者: ケイト


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出玉バトル!?


 「センパイ、あの財布ちゃんとはただの幼馴染なんだよね?」

 

目押が不機嫌そうな顔で、コーヒーをがぶ飲みしている。

少し前までどの台を打つべきなのか、抽選に負けたらどのように動くのか、もしくは別の店を回るのかと色々な話をしていたんだが、その時は真面目そのものみたいな感じだったのに。

 

「財布ちゃんて、お前さては……柚月の事嫌いか?」

 

「一回しか会ったことないのに、好きも嫌いもない」

 

「一応言っとくけどな、柚月はいい奴なんだ、色々助けてもらったし……そいやこの間も」


「センパイ、その話はあてらのいる所で言わないほうがいい、いや、言わせたほうが面白いことに……でもそれだと……」

 

質問しといて話を無視し始めるのやめろよ。

……それとも柚月の話なんて聞きたくないって事か?

さっさと抽選終わらせて柚月には帰ってもらう方が目押ともめたりしないだろうし、それがいい。

 

「柚月とあてらは何処いったんだ?」

 

「そのうち戻って来る」

 

「抽選の話しないといけないのに……たしか向こうに行ったよな。呼んでくるから待ってろ!」

 

今日の抽選は少し特殊だ。

まずはいつもどおり番号を引いて、その後ですぐに再整列が行われる。

そして一番から順に打ちたい台の予約権を貰うって感じで、完全に初心者の柚月には何も分からないはず!

 

「センパイストップ、いやマジでストップ」

 

「ストップしてられっか!」

 

店の裏側に行ったよな?

多分このへんに……。

 

「あっ、いたいた、おーい!」

 

「先輩! すいませんちょっと花代先輩に話があるって呼ばれてて……迎えに来てくれたんですか?」

 

「ああ、抽選ももうすぐだし、それに柚月はパチンコの事とか分かんねぇだろうから抽選の事を説明しておこうかと思ってな」

 

「そうでしたか! それでしたら私から説明しておきましょうか?」

 

うーん、あてらもまだまだ初心者だし、ここは……。

 

「いや俺が説明するよ、あてら」

 

「そうですか……わかりました! じゃあ私は目押ちゃんの所に戻ってますから早く来て下さいね」

 

柚月の目が怖い。

何であてらを睨んでんだよ。


「あ、番号引いたら花代先輩は帰るんですよね?」

 

「その約束で来てくれたからな」

 

「なら……帰った後で楽しい事しましょうね、先輩」

 

楽しい事て何。

何を表す言葉だ?

……そもそも今日帰れるのか?

いや、この思考がダメなんだ。

あてらは速攻で当てて勝ち逃げしようって言ってくれてんだ!

前向きな姿勢、俺に無かった物だ。

 

「できるかどうかは、わかんねぇけどな」

 

そもそもその台が取れるかどうか分からないが、がんばろうな、あてら。

 

「できますよぉ! なんなら今から見せつけるように」

「さっさと戻ってくれない? アタシは遊と話があるの」

 

「こわーい! それじゃ先輩、先行ってます」

 

あてらが見えなくなったぐらいで、柚月が口を開いた。

近くにあったベンチに腰掛けて、彼女は隣に座るように俺を手招きしている。

 

「お前あてらと何かあったのかよ」

 

「なんもないわよ」

 

「あてらはいい子だぞ? 素直だし明るいし、アイドルだって言われてもおかしくないぐらい可愛い」

 

「女の子には裏と表の表情があんのよ、アンタには作られた表しか見せてない、裏はすごいわよ、あの子」

 

裏……かぁ。

予想は……出来ない。

 

「大丈夫大丈夫、いい子だから」

 

「よくない! アタシはアンタの為に言ってんの! あの子と付き合ったら絶対に後悔するのが分かってるから幼馴染としてアドバイスしてあげてんの!」

 

「付き合うって……そんな事にはならねぇだろ、ただのパチンコ仲間だぞ? それより今日の抽選の事なんだが、来てくれてありがとな、助かるよ」

 

「成る程……うん、大丈夫よ。アンタがパチンコで稼ぐとかふざけた夢物語を事を止めさせる為にも、丁度いい機会だし」

 

考え込むような柚月に、俺は今日の抽選についての説明をした。

だが彼女は抽選について殆ど知っていて、話が早くまとまった。

何故知っているのかと聞いたが。

 

「アンタがこの店の抽選を受けるって言ってたから一応調べたのよ」

 

めちゃくちゃ真面目な答えが返ってきた。


「サンキュ、番号引いたら帰ってくれても大丈夫だから」

「アタシも打つわよ」

 

……へ?

今なんて言った?

あの柚月が?

 

「だから……あ、アタシもパチンコ打つって言ってんの!」

 

「マジ?」

 

「何よ、悪い!? 勝たせてくれるんでしょ!?」

 

「お、おう、まかせろ」

 

柚月と抽選場所に戻り、四人で抽選を受けた。

その結果……。

 

 

 「まさか俺まで抽選負けしてこんな台打つ事になるとはな……」

 

「センパイには不幸の運勢が見える、お寺とかでお祓いしてもらったほうがいい」

 

俺と巡は抽選に敗北し、ほぼ最後尾。

そしてあてらと柚月は奇跡の一番二番で、狙い台に無事着席出来ていた。

 

「二人が心配だな、ちょっと見てくるわ」


「離席に期待値は無い、ほら、センパイの大好きな私の体温が移ったコーヒー上げるから、継続継続」

 

「うわ生ぬるっ!」

 

「また私の体温感じてる、フフッ、やっぱ変態だ」

 

「……巡、あの二人に何かあったのか? 柚月はめちゃくちゃあてらを睨んでた、でもあてらはまるで……柚月の怒りをひらりと躱すような受け答えをしてたし、何か知らない?」

 

巡は右手でハンドルを掴んだまま、器用に左手だけで缶コーヒーを開けてそれを飲みだした。

すげぇな、コイツ絶対にハンドルから離さないじゃん。

 

「……知らない、仲悪いんじゃないの」

 

「何で」

 

「しつこい」

 

うーん。

もしケンカしたり、何か揉め事があるなら仲直りしてほしい。

今後柚月とあてらが顔を会わせる事も多くなるだろうし、何より身近な二人が険悪な関係のままってのは巡も俺も確実に困るだろうし。

えーっと、あてらと柚月をグループに入れて……。

 

『二人共、ちょっといいか』

 

『何よ』

 

まず返事を返してきたのは柚月。

 

『目押ちゃんが何かしましたか?』

 

次にあてらが返してきた。


『はっきり言うけど、俺は何でお前らがモメてるのかは知らない。だけど、せっかくホールにいるんだからホールならではのやり方で仲直りするべきだ! ずばり、出玉バトルだ!』

 

『意味わかんないんだけど』

 

『出玉バトルですか? 先輩がそう言うなら私頑張ります! 花代先輩はやる気ないみたいですが、私は頑張ります!』

 

『やらないなんて言ってないっての、それで、何すればいいのよ』

 

出玉バトル。

それは、運で決まるバトルだ。

ルールは簡単、その日一番出した玉の数が多いってだけ。

まぁ最後に手元に残った玉の数って場合と、最高出玉の場合があるんだが、今日は最高出玉で競う事にする。

理由は簡単、手元に残った玉数で競うと一度当ててから打たないって立ち回りをすれば勝ててしまう可能性があるからだ。

 

『つまり、いっぱい当たりを引けばいいんですよね! がんばります!』

 

『ねぇ、これ全部運で決まるんじゃない? 実力とか何も関係ないじゃない』

 

『止めたいなら止めていいですよ、花代先輩』

 

『やらないとは言ってないでしょ、やるわ』

 

うんうん、二人共仲良く競ってくれそうだ。

 

「センパイ、何ニヤニヤしてんの」

 

「柚月とあてらを仲直りさせる方法を思いついたんだけどよ、これが上手く行きそうなんだ」

 

「一応聞いたげる、どうやるの」

 

「そりゃ勿論、出玉バトルだろ」

 

巡はめちゃくちゃ深いため息をついて、俺をジトーっと見やがった。

いや、完璧なプランだろ!

運で決まるからこそ公平だし、文句もいいようがないんだからな!

 

「出玉バトルか……ねぇセンパイ、私らもしようよ」

 

「やるか? いいけどお前となら最高玉数じゃなくて最後手元に残った玉数が多い方が勝ちってルールにするけど」

 

「上等、私が勝ったらセンパイは私の言う事を一つ聞く」

 

面白いじゃねぇか。

 

「なら俺が勝っても巡が俺の言う事聞くってのでいいな?」

 

「うん。えっちなのはダメだからね」

 

「そっちこそ、えっちなのはダメだぞ」

 

「……チッ」

 

「何で舌打ちしたの? ねぇ、ちょっと身の危険を感じるんだけど、大丈夫だよね? ねぇ!?」

 

巡はニヤニヤと笑い。


「なら勝ってみて下さいよ、センパイ」

 

そう言ってイヤホンを付け、自分の世界に戻っていった。

フフフ、いいだろう。

俺はこういうバトルにはめっぽう強いんだ。

 

見せてやるよ、俺がバトルするってなった時の最強のヒキをな!

 

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