しまづ水軍見参!
しまづの見張りが報告します。
それは十字、十字、十字の旗をはためかせた大小沢山のしまづ水軍です。
よく見るとしまづ水軍の総大将の旗も見えます。
しまづの総大将、よしひさ見参!
よしひろ、としひさ、いえひさ、とよひさもそれぞれの目で確認しました。
今まで待ちわびていた援軍がついに来たのです!
「全軍、攻撃開始、その後小舟は敵船に突撃せよ!」
よしひさの重々しい命令がさつま水軍に伝わります。
海賊の先鋒も戦う気満々、何しろ数が多い!
「突撃~」
しまづの先鋒もまた海賊衆、しかし彼らを指揮する指揮官は海戦の経験を沢山している人物、陸戦が下手なあの人物、そう、しまづよしひろの息子ただつねです。
戦いたくても我慢していた若いただつね、今までの汚名を返上すべく猛烈な攻撃を海賊に対して行います。
経験値と度胸の差でただつねの率いる軍勢が押していきます。
それを見たよしひさは全軍に包囲陣を命じます。
海賊を囲い込み、しまづ得意の鉄砲隊による攻撃で彼らを確実に仕留めていきます。
さしもの海賊の大軍も訓練度の高いしまづの軍勢には勝てず退却します。
これを見てよしひろたちしまづ撤退組も最後の力を振り絞って敵を確実に仕留めていきます。
もはや士気を失った海賊勢は潰走していきます。
しまづ全軍に歓声が響き渡ります。
こうしてしまづは久しぶりに一つになりました。
戦士たちに言葉は要らない。
彼等はまず自分たちが無事に帰って来た、帰ってこれたことをしみじみとかみしめていました。