しまづの退却戦
とくがわからの追手を何とか切り抜けたはずのしまづでしたが、とくがわも諦めません。
なおまさとただかつという2枚看板がしまづを捕まえようと追撃します。
この時のしまづの強みはわずかな売上金の他に荷物が何もなかったことです。
逃げるには最適な装備です!
しまづは西へ、西へと歩みを進めます。
途中食事をとりますが、まさか店に入って悠々としているわけにはいきません。
彼等は近所の冴えないお店を見つけては目立たぬように買い物をします。
そうして買ってきた総菜などは皆で分けるのかと思えばそうではありません。
特に肉などせいがつく食べ物はしまづの殿様たちではなく、部下の中で最も働く者が優先して食べました。
殿さまが肉に手を出すと「○○様は身を軽くして逃げなくてはなりません、ここはご遠慮くださいませ!」と部下たちに言われるしまつ。
泣く泣くおいしい肉を部下に喰われる殿さま方の情けない顔。
しまずの退却はまさに涙の脱出行でした。
やがて、みつなりたちの本拠地、大坂城にたどり着いたしまづ一行は城内の混乱を利用して人質の妻子を見つけました。
この時、愛妻家のよしひろはオロオロとその再会に涙したのでした。
困難な脱出行の中でこの時ばかりはしまづの主従もほっこりしたのでした。
さて、この時別の再会がありました。
それはしまづにとっても忘れられない人物、むねしげとの再会です。
大坂城では負け戦ということでもうりが撤退を準備する混乱の中、むねしげはどうするのか?
しまづは味方ですが因縁の相手でもあります。
その顛末は次回に紹介します。