別れの言葉
よしひろは店がせめぎ合う中、その隙をついてとくがわ本営に向かいます。
目標はとくがわいえやす!彼に言葉を伝えるためです。
しまづの他の将もその意図は分かりませんでしたが、お膳立てをするべくとくがわへの道を作ろうとしていました。
よしひろが迫る!とくがわが退く、しまづの気迫がとくがわに道を開けさせます。
頼りのなおまさは治療中で動けません。
こうしてよしひろはとくがわの陣に着きました。
「いえやす殿!しまづよしひろ見参!!」
いえやすはすでに見える位置にいました。
「此度の陣取り作戦まこと痛快でござった、それがしらは目標を達成したので退散します、此度の戦は本位に非ず!」
「またいずれかの機会にお会いしましょう」
しまづ、言いっぱなし!
とくがわいえやすと部下たちはポカーンとしつつも気を取り直し、しまづよしひろ、およびしまづの者たちを捕まえるように命令を出します。
しまづはよしひろの指示のもと、とよひさ、としひさ、いえひさ、その配下の少数の者たちが整然と撤退していきまいた。
なにぶんにも、しまづは阿吽の呼吸で撤退準備をしていたので、とくがわ勢は彼らのほとんどを逃がすことになりました。
その様子を見たいえやすは指を噛んで悔しがります。
火傷したなおまさは顔を真っ赤にして追撃を命じますが、既に時は遅し。
こうしてなごやの決戦は終了しました。
みつなり方は負けましたが、壊滅には至らず、主力を佐和山に温存することに成功しました。
いえやすは大魚を逃したことを実感して悔しがりますが、勝敗で見ると辛勝となりました。
そしてしまづの長い退却戦が始まります。