ただつね渾身の接待
場面はなおまさとただつねの会見です。
なおまさはただつねの発言に疑念を抱きつつも、その接し方については熱意を感じたので様子を見ることにしました。
一方のただつねはとにかくなおまさの心証をよくしようと必死でした。
彼は彼の出来る範囲で最高級のもてなしをなおまさにしました。
料理もそうですが、彼が力を入れたのは能の舞でした。
何故かというと、なんのことはない!
ただつねが大の能の舞好きだったのです。
若いただつねは自分が喜ぶものを相手も喜ぶと考えました。
父のよしひろや伯父のよしひさには思いも浮かばない発想です。
ただつね自身も沢山舞いました。
自分の好きな舞を懸命に踊れば、なおまさに通じるとただつねは考えたのです。
ではなおまさの内心をのぞいてみましょう。
「今の状況をこの御仁は理解しているのだろうか?」
完全に狙いは外れていました。
なおまさは武闘派であり、今回のお役目も極めて重要かつ真面目なものでした。
それなのに重要な話についてはあちらこちらにふらついて、遊興に耽るとはどういうことなのか?
ただ、ただつねの好意と熱意は確かに伝わっているので、文句を言うのも気が引けます。
なおまさから見てしまづはつかみどころのない勢力という結論になりました。
さて、整理してみましょう。
よしひさは中立、よしひろは煙にまいた様な反応、ただつねはいえやす派、ただしなおまさから見たら好意は伝わるけどなんか気持ちのいい物ではありませんでした。