としひさといえひさの道中旅
としひさといえひさはよしひさに無理やり話を通して偵察と言う形でしまづ社員を引き連れさつまを後にしました。
「兄者、これで思う存分あばれられますね!」
せかすようにいえひさはとしひさに焚きつけます。
「あまりよしひさ兄を虐める出ないぞ、ただでさえ胃の調子が悪いのにこれ以上刺激を与えたら体にさわる」
としひさは年配なのでまだ配慮というのがあります。
でも二人とも最終的には暴れたいので同じ穴のムジナです。
「それより、息子のとよひさに何か伝えなかったのか?」
としひさがいえひさに尋ねます。
「なに、よしひろ兄がいるから大丈夫だろう」
いえひさはよしひろに全幅の信頼を置いているようです。
「さて、誰が敵になるかなあ」
いえひさの関心はもっぱら倒すべき敵が誰かという事です。
「大友か?毛利か?ひでよし配下の何人か?それともいえやすか?だれであろうとたのしみなことだ!」
いえひさは本当にやる気満々です。
さて、話は少し遡ります。
よしひさはとしひさを極秘で呼んで密談をしていました。
「としひさよ、わしは関ヶ原で派手な動きはして欲しくない、だがこのままいえひさをひとりで送るととんでもないことになる!そこでそなたにいえひさを抑える役をしてもらいたいのだ、むろん難儀な事は分かっているがこれが出来るのはしまづでもそなたしかいない!」
なんとしまづのオーナーよしひさはいえひさを抑えるためにあえてとしひさを自由にしていました。
このように兄から頼まれたらとしひさの返事も一つです。
「承りました」
しまづ兄弟の思惑はまるで大河が下流で多くの支流をもつようにいろんな考えが交錯していました。