爆弾ただつね!
しまづよしひろの三男ただつね、彼はしまづの中で戦が下手と言われ(あくまでしまづの中で!)短気な人物、お酒も弱いのに無理して飲んでトラブルを起こす問題児でした。
普段はさえないただつねですが、彼は若者なので自分の心に正直でした。
あくまで直感でですが「このままではしまづは壊れる」と強い危機感を抱いていました。
彼はそのような空気を感じてすぐに行動しました。
なんと、ただむねを呼び出していきなり竹刀で殴り掛かり「お前は首だ!首だ!!首だ!!!」と連呼したのです。
ただむねは歴戦の勇者ですが、あまりの不意打ちに打つ手がなく、自宅に帰りました。
老齢だったことと、あまりのただつねの狂気に恐れをなしてしまいました。
彼は家にいた長男ただざねにこう言います。
「ただつねは爆弾男、狂気の人物だ、わしはもう関わり合いたくない!」
そう話して寝込んでしまいました。
ただざねにとっても寝耳に水の話でどうしていいか分かりませんでした。
一つ分かっているのはしまづが怒っているということです。
さて、一方のただつねは竹刀を持ったまま父であるよしひろに会いに行きました。
よしひろは最初こそ驚いていましたが、起きた出来事を聞いた後は目をつぶり、だまって「あいわかった、後は任せておくがよい」と一言告げて息子から離れていきました。
結局この騒動はただつねが謹慎、ただむねが隠居となりました。
あまりに乱暴な仕打ちに一部ただむねに同情の声がありましたが、その前のただむねの傲慢さがあったため、しまづの分裂は最低限に抑えられました。
道理はともかく、ただつねはしまづ最大の問題を少ない犠牲で抑え込むことに成功しました。
少なくともしまづは反乱をおこさなかったのです。