サンサン商事の大望
ひでよしは何故ナニワ万博を開催したのでしょうか?
もちろん、彼が率いるサンサン商事主導によるお菓子界の覇権を握るという目的があります。
しかし、それは表向きの理由で、彼の本心は別にありました。
彼は自分が豊かな家の出身ではなく、社会的地位が低いことを常に気にしていました。
それは悪い形になると、競争相手に対して下品でえげつない攻撃という形で発露しました。
今回のサンサン商事のパピリオンの催し物もそれを表していました。
ひでよしの鶴の一声で、今までのサンサン商事の成長を最新の映像を駆使して紹介するというモノでした。
その中にはもうりやちょうそかべやしまづとのカードゲームでの決戦と社内工作を壮大なスケールで映像化した内容もありました。
丁度、アメリカがハリウッドでアメリカの愛国心を煽り、USA!USA!!と会場が興奮するような内容のスペクタクルな作品を館内で上映していました。
敵として脚本されたしまづなどにとっては辛い内容でしたが、確かに見ているとサンサン商事を応援して気持ちよくなる内容のコンテンツでした。
しかし、人間悪い面ばかりではありません。
彼がナニワ万博でしたかったことは「万民の幸せ!」でした。
その思いを察知したひでよしの弟で副社長のひでながはみつなりにある指示を出しました。
それは「観光客だけでなく、万博で働く者たちにも特典を与えよ!」
という内容でした。
そして、みつなりもまた、「一人は皆の為に、皆は一人の為に働くべきである!」という言葉を口癖にするほど、民に対しての思いやりの心がありました。
そこでみつなりはサンサン商事だけでなく、この万博に参加した全ての社員、ヒーローショーなどで働く派遣社員たちにあるプレゼントをしました。
それは家族単位での万博無料招待券と1日分の給料に相当する手当をサンサン商事から支給する!という内容でした。
サンサン商事の上層部はえげつないですが、その一方で家族に対する思いやりも人一倍強い集団です。
ケチで有名なひでながも兄が喜ぶこうした善行に対しては黙ってお金を工面しました。
そして、一見冷徹な官僚であるみつなりもまた、主の意向と自らの信念からてきぱきと手配していきました。
この善行のおかげで、しまづを含む、万博に不満を持つ勢力は力を失い、万博の運営がますます円滑になったのは言うまでもありません。
他の企業が、自らのパピリオンの出し物について、頭を悩ませていたころ、サンサン商事の幹部たちは万民の事を考えていました。
批判も多いサンサン商事ですが、万博でのこの粋な計らいは他のメーカーも一本取られたようです。
※史実でも大名が身分を変えて、イベントを楽しむ、水戸黄門みたいな話は合ったようです。
もっとも下剋上の時代なので、商人から大名、農民から出世した人もいましたのでそれほど抵抗はなかったのかもしれません。
少し、話はズレますが、三国志の時代に皇帝が商人のまねごとをしたという話もあるので世界的に見ても珍しいことではないかも。