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一方そのころよしひさは?

よしひさはサンサン商事のひでよしが大嫌いです。

カードゲームで力の差を見せつけられたとはいえ、金に飽かして行動するというその態度がどうしても許せません。


とにかく相性が悪いのです!!!

そんなよしひさに専務で弟のとしひさの乱心とも思えるデモ活動の情報が入ってきました。


最近、精神的に調子が悪いとはいえ、このような大事件が起きた以上大人しくしてはいられません。

そこでよしひさはしまづの相談役である祖父ただよしと父たかひさの元に相談に行くことにしました。


しまづの本社ビル頂上にある、ただよしたち相談役の部屋に行くと3人の人物がいました。

中央には相談役である祖父ただよし、その横で立っているのが父たかひさ、そして来客用の椅子には専務としひさがいました。


よしひさは3人に向けて自分の考えを訴えます。

「このままではしまづはサンサン商事に飲み込まれてしまいます!よしひろなどはみつなりといった小物の考えに傾倒し、しまづを根本から変えようとしています!そうはさせないためにしまづのアイデンティティーを守るべきだと私は思います!」


普段大人しいよしひさにしてはかなり熱意のある言葉でした。

これに対してとしひさは「しかし逆らってばかりではしまづは潰されてしまいます、ここはひでよしを怒らせないようにすることも肝要ではないですか」


よしひさの心に「としひさ、デモという実力行使に出たお前が言うか?」とツッコミが入りましたが、としひさの様子を見てふと気づきました

「まさか、ガス抜きか」


よしひさが三人の顔を見ると、みな納得したような顔でうなずきました。

そして、ただよしが一言「文武が鳥の両方の翼であるように、しまづもまた二つの翼が必要な時期かもしれんな!」


この言葉を聞いてよしひさは納得しました。

「自分の役割は不満を持つ者たちをまとめて暴発しないようにしながら、サンサン商事に取り込まれないようにしまづという鳥の一翼になれということだな!」


よしひさは来た時よりも明るい顔で部屋を出ていきました。

たかひさがただよしに尋ねます。


「この場によしひろを呼ばなくて良いのですか?」

ただよしはにこやかに「そなたも分かっていよう、よしひろはまた別の機会に現れる、その時に確認すればよい!」


しまづ存亡の機は続いていますが、この部屋にいる知恵者三人は自信と穏かな顔で将来を見据えていました。


※島津メモ 秀吉が九州に干渉している時期にはすでに忠良も貴久も亡くなっていますが、本作では医療の発達などで生きている設定になっています。


鳥の両翼の例えは島津日新公いろは歌にあり、原文は文武を両翼に例えバランスよく励むように教えています。

また、これとは別にいろは歌の中で芸を磨くことも奨励されているので、広い意味での才能の開花を子や孫、民に対して期待していたのが分かります。

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