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第六話 山村渚2
翌朝、珍しく早く目が覚めた。スマホを開いて確認するとまだ7時前だ。マッチングアプリを開くと丁度そのタイミングでカズさんからのメッセージがあった。彼もバイクに乗っていて、今日海までツーリングする予定らしい。プロフィール写真の彼はチェックシャツに度の強いメガネ、ぎこちない笑顔でピースしている。しかも、ピンぼけ。全く男性みがない彼に思わず警戒心が緩んだ。気づけば、自分から、会いましょう、なんて言ってしまった。
カズ:え、ほんとに会うんですか??
カズさんからメッセージが返ってきた。これまでメッセージしてきた人はすぐに会いたがってきたので、カズさんの反応は意外だった。
「この人、なんかお人好しな感じがする」
なんだか、おかしくなって笑ってしまう。あれだけ、会うのは怖いと思っていたのに、この人と会うことについては恐怖を感じない。
「さーて、準備するか」
ほとんど真新しいグローブに手を通し、ハンターカブに跨った。