9日目 ラスボス
僕は声に出した。
「ルート距離は約390km。天気のこともあるし、所要時間は走りだけで、9時間てところかな!?」
「函館の予報です。大気成分は、窒素78パー、酸素12パー、戦争ガス9パーだ。札幌と比べて、ガス濃度がなんと1%も高い。十分に気をつけよう!」
「函館の地名の由来は……諸説あり。自分で調べて頂戴!」(Wikipedia……?)
(A:第3札幌市 B:第3函館市 引用:グーグルマップ)
ああ――ちっとも気が乗らなかった!!
そして僕は、もう一つのことをキレイにド忘れしていたのである!
本日のルート、一部区間、ちょっとだけだけど、山間部を通るんだ。
(参考:降る雪片)
つい先日まで、北海道の毒化動物のラスボスったら、羆だとばかり、思い込んでいた。
違った。
答は、今、僕を喰おうと追いかけているアイツらだった。
馬だ!「ブヒヒヒヒーーーン!」
もちろん毒化されたやつだ! 食性も、肉食に変わっている。体高10mまでにも巨体化し、それに合わせて何もかもが凶悪になっている!
その何十頭という集団が、僕を捕食しようと、ドゴッ、ドゴッ、ドゴッ、ドゴッ、と足音とどろかせ、凄まじい形相で追いかけてきているのだ!
「クッ……殺されてたまるか!」
ビッキーの助けは求めない。自力で切り抜ける!
そして、嗚呼、オル――! オルオルオル――オル――!
僕はもう、いろいろグチャグチャになりながら、必死こいて突っ走るのだった。




