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3日目 増毛

 まずは小樽市内・中央通りを国鉄駅に向かって走った。駅前の交差点を左折進行でルートにゲットオン。国道1-5号、通称オロロンラインだ。

挿絵(By みてみん)

(参考:小樽駅前)


 オロロンラインってのは、石狩市と天塩町(てしおちょう)をつなく道路のことだ。広義では小樽市から稚内市までってことになってて、つまりこれに乗っかってれば今日は一日OKてこと。

 ここ小樽市と、遠く稚内市が、今、現在進行形で握手をしている――とイメージすると不思議な感動を覚えるのだけど、どうでしょう?

 ちなみにオロロンとは、オロロン鳥のこと。天売島(てうりとう)に住むウミガラスの別名なんだそうです……。

 後ろでオルが奇声を上げたのだった。

「オロローーン!」

 まぁ、やると思ってたよ。笑。


 30分も走っただろうか、銭函(ぜにばこ)って所で国道1-337号に左折進行。

 北海道らしい、直線の道路をひたすら走り、石狩市にて国道1-231号へ。狭義の意味でのオロロンラインに乗っかる。つまり、はっきり、北上が開始されたのだった。


 北海道は、だだっ広い様相を見せてくる。道路や電線、地平線水平線が、自分の正面に遠近法の消失点を結ぶ。そんな光景が、ごく自然に次々と現れた。

 何と言えばいいんだろう、例えば、平たい荒野を旅していると、地平線に城塞都市が見えてくる。そんな、小説の中のような、または外国に行かねば見られないような大きな風景が、ここではお手軽に体験できるのだった。


 雄冬岬(おふゆみさき)を走り抜けると、最初に現れる城塞都市(まち)増毛町(ましけちょう)だ。

挿絵(By みてみん)

(参考:増毛町に入る)


「ぞうもう?」

「やはり言った。失礼だろう、AHO」

「出たよ、エー・エイチ・オー!」

「町名の由来はアイヌ語の『マシュキニ』『マシュケ』から。“カモメの多いところ”という意味だそうです」(Wikipedia ※ 以下同)

「なによその棒読み」

「うん、いいから」

 そういうわけで。笑。

 小樽からざっくり3時間。一回目の休憩を取ったのだった。


 この町には、(第1)日本最北の酒造店があり、沢山の観光客で賑わっていたのでした。

 味が分からないから、とにかくも一番の特級酒を購入した。そのまま家に、配達依頼する。笑。パパ、ママ、喜んでくれればいいな。

 試飲した観光バスのオッチャン連中が、

「素っ気ない」

「こびない」

「一回二回、付き合っただけじゃ分からない」(何度も飲む)

 そんな印象を、口々にしていたのでした。


 店の外に出る。

 そして眺める。

 町の家屋がゆったりと間隔あけて、一つ一つ建っている。新しい建物、そして歴史のありそうな建物が、溶け合わずに混ざっている。不思議な調和を感じさせる、増毛は、そんな街だったのでした。

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