11 忘れない記憶作り
「何か、ほんと、ご迷惑お掛けしちゃって……」
俺がそう謝ると、後藤さんは「祝いの席なんだからそういうことは言わないの」と、もっともなことを言った。そう、だよな。今は中谷さんを起こさない程度にはしゃぐべきだ。俺もポテトチップスを食べる。後藤さんはまた、紅茶を飲んだ。
そんなパーティーが一時間、二時間と続き、そのうちに中谷さんが目を覚ました。
「……あれ、私、寝てた?」
「あのタバスコ入りジュース、アルコールだったんだよ。酔い潰れてた」
「えええ、ひょっとして、もうパーティー終了のお時間!?」
「大丈夫だよ、中谷さん。このパーティー、夕食を挟んで寝るまで続くから」
後藤さんがさらっと言ったが、寝るまでこんなペースで飲み食いするつもりか。買ってきたお菓子もジュースもまだたっぷりあるけど、明日の体重が怖いことになりそうだ。中谷さんは気にしないのかな、そういうこと。なんて思ったけど、中谷さんはもう少し体重があった方が健康的そうなスタイルだしなぁ。
俺は痩せてもバランスが悪いし太ってもバランスが悪いし、下手に飲み食いしない方がいいんだけど……まぁ、いっか。こんな時くらい体重のことを気にするのはやめよう。俺はスパークリング・チョコレートをまた口に放り込んだ。
「あ、嵐君!私にもスパークリング・チョコレートちょうだい!」
「おう。ほれ、口開けて」
「わーい!」
って、俺は何をやっているんだ。中谷さんにチョコレートを「食べさせる」なんて。また後藤さんと徹君がニヤニヤしている。もしかしなくても、俺と中谷さんって恋人並みのやり取りをしてる?まさかな、うん、まさか……。




