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隣りの中谷さん  作者: はしたか みつる
忘れない記憶作り

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9 忘れない記憶作り

 「それじゃあ、嵐君の復活を祝ってかんぱーい!!」


 「「「かんぱーい!!」」」



 お菓子やジュースを広げたら、223はすっかりパーティーモードだ。俺はチョコレート菓子にかぶりつく。後藤さんは飲んだことのない紅茶を味わう。徹君はポテトチップスをバリバリ食べる。中谷さんは……タバスコ入りジュースを飲んでいた。


 いや、本当に自分で飲むんかい。



 「中谷さん、それ美味しいの……?」


 「なーんか、酸っぱい」


 「美味しくはないのか……」



 一体、どんな患者向けにタバスコ入りジュースなんか仕入れたんだろう、売店の人。間違っても俺は飲みたくない。中谷さんは酸っぱいと言いつつ、タバスコ入りジュースを一気飲みする。実は美味しいのか……?


 しかし、中谷さんは言う。あー、不味かった!と。



 「嵐君、これ」


 「ん?なんスか?」


 「懐かしのスパークリング・チョコレート。袋に入ってたよ」



 スパークリング・チョコレート。確かに懐かしい。いや、懐かしいというほど前に食べたわけじゃないんだけど、なんか懐かしい。俺は買い物カゴに入れた覚えがないから、中谷さんが買ってきたのか。


 俺は後藤さんからスパークリング・チョコレートを受け取り、口に入れる。シュワシュワとしたチョコレートはやっぱり美味しくて、前に食べた時のことを思い出せて良かったな、と心から思った。



 「んー……」


 「っ!?」



 ……平常心、平常心だ、俺。なんか知らないけど中谷さんが俺の身体にもたれかかってきた。中谷さんの手には空のタバスコ入りジュース。ラベルをよく見たら、アルコール飲料だと書いてあった。


 何で病院の売店で酒類なんか売ってるんだよー!!

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