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隣りの中谷さん  作者: はしたか みつる
忘れない記憶作り

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2 忘れない記憶作り

 俺は上機嫌に鼻歌なんか歌いながら223へと向かっていた。中谷さんは定期の採血があるそうだ。まずは後藤隊長と徹副隊長に報告だ。全てはそれから。盛り上がるぞー、きっと。


 223へ辿り着き、深呼吸を一つ。そして、扉を開ける。



 「隊長!副隊長!条件付きで棟外に出られるようになりましたっ!!」



 敬礼しながらそう言った俺に、後藤さんも徹君も敬礼を返しながら言った。



 「詳細を!嵐隊員!!」


 「条件付きってなんだ、嵐隊員!」



 俺は院長の話をそのまま二人に伝えた。中谷さん同伴なら病棟外に出てもいい、ということになったこと。まぁ、伝えられることってそれしかないんだけど。そして、俺は遠慮のない223の先輩たちにパシリを命じられる。


 ──病棟外の売店でここには無いお菓子やジュースを買ってこい!と。


 俺はヒラの隊員、逆らうことは許されない。病棟外の売店の品揃えがどんな感じなのかは俺にはまだ分からないけど、きっと色々とこことは違うんだろうな。中谷さんが採血から戻ったら、早速行ってくるか。



 「それにしても、中谷さんって本当に嵐君が好きだよねぇ」


 「だよなぁ。まさか、嵐が全健忘を起こしても223に来て嵐に構うとは思わなかった」


 「僕だったら切なくて顔も見に来られないよ」



 ……俺の覚えていない間も、中谷さん、223に来てくれていたのか。ますます俺の記憶が戻ったのは中谷さんのおかげな気がする。223の俺のベッドには中谷さんから借りたと思われる「瞳の奥の虎」がある。


 俺も何処かで中谷さんと繋がっていたかったんだろう。

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