エンドロール
とある現実世界で、原因不明のバグにより一斉に操作不能の状態になったゲームが存在する。
そのゲームとは【終わらない夢】というタイトルのついたホラーゲームだ。
それは更科実成というキャラクターを動かし、学校、夜道、病院という様々な場所で怪奇現象に遭いながらも逃げたり隠れたりしながら生還し、最後には母に逢うために現実世界に帰るというストーリーだった。
しかし、そのゲームは突如として起きたバグにより、永久に日の目を見ることがなくなった。
スイッチを入れれば稼働はする。しかし、その画面は真っ暗なまま、何も映らない。
以前からバグが多く、キャラクターが勝手に動くなどのクレームが多発していたそのゲームは、今回も沢山あるバグの中の一つだろうとプレイヤー達は予想していた。
しかし、その予想に反して、そのゲームに二度と明かりが着くことはなかった。
しかし、そのゲームではたまに、暗い画面から声がするという。
────おかあさん、
という嬉しそうな女の子の声だ。
何人もの人がその声を聞いたと、このゲームはいつしか本当にあった怖い話として人々に語り継がれた。
終わらない夢に閉じ込められたのだと言ったのは誰だったか。
これにて完結致しました。
長らくお付き合い頂いた読者の皆様、ありがとうございました。
拙い文ではありましたが、無事に完結できたこと嬉しく思います。




