前へ目次 次へ 35/53 病院の怪 4.5 「おねぇちゃん…どうして…」 閉まったドアを前にしてユウは呆然と呟いた。伸ばした手は掴まれることなく宙に浮いたままだ。 「どうして、ボクをひとりにするの?」 その手を祈るように、辛そうに、ユウは自分の手で包み込んだ。 「ボクをひとりにするおねぇちゃんなんて…、」 その声はどこまでも寂しそうで、その姿はどこまでも迷子の子供のようだった。けれど、俯いて髪に隠れたその目だけは違う。 「要らない」 まるで獲物を捕らえる猫のように、ユウの目が金色に光った。