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病院の怪 4.5

「おねぇちゃん…どうして…」


 閉まったドアを前にしてユウは呆然と呟いた。伸ばした手は掴まれることなく宙に浮いたままだ。


「どうして、ボクをひとりにするの?」


 その手を祈るように、辛そうに、ユウは自分の手で包み込んだ。


「ボクをひとりにするおねぇちゃんなんて…、」


 その声はどこまでも寂しそうで、その姿はどこまでも迷子の子供のようだった。けれど、俯いて髪に隠れたその目だけは違う。


「要らない」


 まるで獲物を捕らえる猫のように、ユウの目が金色に光った。

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