表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/53

病院の怪 3

 病院の中はとても静かだった。チカチカと何個かの蛍光灯が点滅し、ジジっという蛍光灯独特の音が聞こえてくるくらいの静けさだ。

 外から見えた人影はどこにもない。むしろ、ここにはミナとユウしかいない。

 入ってすぐの受付にすら人はおらず、その奥の部屋は電気が消されているのか暗かった。

 ミナは調べようと中に入ろうとしたが、「ここにはお仕事の人しか入っちゃいけないんだよ」とユウに止められてしまった。


 ユウは無人の病院に何の違和感も抱いていないようだった。


「おねぇちゃんの病室、どこかな?」


 そう言ってキョロキョロと辺りを見回して、外の名前の書かれたプレートを見ているのだろう。「ここも違うね」「ここじゃないね」とユウはさっさと歩いてしまう。

 離れないようにと繋がれた手は、ミナに人がいるという安堵と言い知れない不安を抱かせた。


 一階を全て見終わると、ユウは「こっちだよ」とエレベーターまでミナを案内した。

 『↑』と書かれたボタンをユウが押すと、屋上からエレベーターが降りてくる。

 エレベーターを待つ僅かな間、ミナはユウに話しかけた。


「ユウは、いつからここに居るの?」

「いつからだろ?忘れちゃった!」

「…どこか悪いところがあるの?」

「悪いところはないよ!ここにいたらね、苦しいのも痛いのもないんだよ!」

「ここには、ユウ以外の誰かがいるの?」

「いるよ!たぁくさんいるよ!」

「でも、今は誰も居ないのね」

「そうだね!ミナがいるからかな?みんな隠れちゃったみたい」


 「どこに?」と聞く前にエレベーターの扉が開いた。

 扉が開くと、ミナの目の前には大きな鏡があった。ミナはそれを見て大きく目を見開いた。

 エレベーターに鏡が備え付けられているのは何も珍しい光景じゃない。

 ミナが驚愕に目を見開いたのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ