依頼
新キャラが出ます!(いつものネタバレ)
「こんにちは。僕の名前はシンクです。
「え?僕は誰かって?
「タダのしがない村人ですよ。
「今日は僕がこないだ体験したことをお話させて頂きます。
「あれはまだ肌寒い日のことでした。
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「僕はある依頼をギルドに出しました。
「それは魔物退治の依頼でした。
「あ、僕の家は牧畜をやっているのですが
「最近強い魔物が近くに住み着いてしまったらしくて牧場が荒らされる事が何回かあったのです。
「それで、ギルドに依頼したんです。
「でも、ギルドからやってきたのは若い男女の二人組。
「年齢も僕と同じか少し下くらいにしか見えなかったんです。
「それに、話に聞くとつい先日ギルドに加入したばかりだったそうです。
「僕の父親は早くに亡くなって、僕が牧場をなんとかしないといけないのに!
「こんな人達を送ってくるなんて!
「正直そのように思ってました。
「いや、それ以上に二人が心配でした。
「直接見たわけではないのですが、牧場の惨状を見ると普段の魔物よりもずっと協力な個体だと素人でも何となく分かるくらいでした。
「僕は心配になり、二人の討伐について行くことにしました。
「女の子はずっと相方に話しかけていて微笑ましかったのですが、
「男の子はずっと顔色が悪かった気がします。
「しかも、時折何も無い方に話しかけていて、
「えっちゃんという架空の人物と話しているみたいでした。
「え?流石に不味くね?
「そう、思いました。
「そうこうしているうちにとうとう魔物に出会ってしまったのです。
「いえ、もちろん魔物の討伐なのでまず出会うのが目的なのですが、
「こんなパーティだったので出会えたって、言うよりも出会ってしまったと思ったのです。
「その魔物は普段の2倍くらいはある4足歩行型の魔物でした。
「僕はあまりの大きさに流石に死んだなと思いました。
「でも、ふと、家に残してきた母の顔が浮かび、何としても生きて帰らないと!
「そう思いました。
「なので、必死に逃げようとしました。
「あの出来事は逃げ出した瞬間に起こりました。
「いきなり後ろで爆発音が聞こえ、すごい風圧が僕を襲いました。
「あまりの強さに吹き飛ばされました。
「振り返るとさっきの魔物が瀕死になっていました。
「あまりの出来事に呆然としていると
「女の子の方がトドメに魔物の首をはねました。
「そしてその女の子は何事も無かったように男の子の腕をとりました。
「男の子は軽く引いてるように見えました。
「僕の脳はあまりの出来事に稼働することをやめ、何も考えないことにしたのです。
「あ、お疲れ様でしたー。
「といって何事も無かったように帰ることにしました。
「何が起こったのか全くもって分からないのですが
「とりあえず魔物は退治してくれたので解決と自分に言い聞かせることにしました。
「そして、お金を二人に払って解散しました。
「お金を渡した時に男の子が随分感動してましたが何故だったのでしょうか。
「それにしてもあんな一瞬であの巨大な魔物を瀕死まで追い込んだのはいったいどちらだったのでしょうか。
「そしてあの爆風は何だったのでしょうか。
「普通に考えたら魔法なのですが、あんな一瞬で魔法を唱えられるわけありません。
「あんな短い時間で詠唱なんて読めないですよ。
「あの威力だと詠唱すら割と時間がかかるはず。
「いったいあの二人は何者だったのでしょうか?
「僕の話は以上です。
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「へくしゅ、へくしゅ.........へくしゅ」
「ずっと思ってましたけどせんぱいって結構可愛いくしゃみしますよね。」
「そうなのかな?自分ではよく分からないよ。」
「せんぱい風邪ですか?」
「いや、大丈夫だよ。誰かがウワサでもしているのかな?」
「そうですか?ならいいんですけど......」
「こないだの依頼で宿に泊まれるようになったし、大丈夫だと思うよ。」
「こないだの依頼ってあの呆気ないやつですか?」
「そうだよ。てか、お前が少し怖かったよ。」
「いや〜武器持ってないって言ったら安いのでいいなら〜って言ってくれて剣貰ったんですよ。」
「だからって特攻して首はねるとか猟奇的だろ。」
「それは、せんぱいが魔法で手助けしてくれるから大丈夫かなぁって思いまして。」
「僕は近接戦は絶対にやらないからな。」
「了解です!せんぱいは遠距離で私は近距離。意外と役割分担出来そうですね。」
「そうだね。まあ、今日はここら辺にしてそろそろ寝ようか。」
「はーい!おやすみなさーい。」
「私もいるのに何だか空気なのですよ〜」
とりあえずギルドで依頼こなしてればお金は入るから当分この生活でいいや!
勇者は主人公度が5上がった!
.........え?これで上がるの?
シンク君はもう出ません(言い切り)