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ひねくれ勇者とヤンデレ後輩  作者: マキシマムビルド
その1『始まりの時』
1/29

きっかけ

人は目標がないと生きていけないと誰かが言ってた。

でも、ほんとうにそうなのだろうか?

じゃあ、僕は既に死んでいるのだろう。

人は目標がないと生きていけないのではなく、生きていく価値が見つけられないだけではないのだろうか。

------------------------


こんなことを考えながら登校する。

自分でも普段からこんなことを考えているのは異常だと分かっている。だが、一般人の僕にはこの世界はつまらなすぎる。


と、まあ、今日も中二病チックなことを考えていると、今日の講義が終わる。


「さぁ、帰るか」

誰にも気づかれること無くつぶやき、席を立つ。

いや、1人僕に気づいた人がいるみたいだ。


「よお、帰るのか?」


僕の数少ない話し相手だ。


「ああ、帰るよ。特に大学にいる理由も無いしな。」


事実、僕は大学の特徴の1つサークルに入っていないので講義が終われば大学に特に用事はない。


「今日ウチ来ないか?昨日の続きやろうぜ」


これが、いつもの光景だ。講義が終わると、こいつの家にいき、ゲームをする。これが普段の日常となっている。


「いや、今日はやめておくよ。」


今日はいつもより変なことを考えすぎたようだ。なんだか疲れてしまった。


「そっか、じゃーなー」


と言って彼と僕は真逆の道を帰る。これが僕の日常だ。物語でいうと完全にただの脇役だろう。しかし、別にそれでいい。危険な事件に巻き込まれたり、ややこしい修羅場になったりと、主人公は大変だろう。全く羨ましくない訳では無いが主人公というものは辛そうだ。



朝と同じようにひねくれたことを考え、スマホを弄りながら帰っていると声が聞こえてきた。


「おーい、せんぱーい」


こないだ声をかけられたと思って振り返ったら、呼ばれたのは僕じゃなかった、ということがあった。だから、今日はスマホから顔すらあげなかった。同じことは2度はしない主義である。無視して歩いていると前になんか来た。


「もー!せんぱいってば、呼んでるのに何で無視するんですか!」


なんか、怒ってるみたいだ。


「いや、こないださ、呼ばれたと思って振り返ったら僕を呼んでたんじゃ無かったってことがあって恥ずかしかったんだよね。」


「ぷぷー」


こいつに笑われるとなんか腹立つ。


「だから、仕方ないんだよ。わかってくれたかい?」


「分かりましたけど、それとこれとは話が別でーす!」


なんだこいつ。


「無視されて私は傷つきました。罰としてこれからデートしましょう!デート」


は?なんだこいつ?何言ってんだ?


「また、今度なー」


「ちょっと待ってくださいよ。こないだもそんなこと言ってたじゃないですかー」


「その言葉そのまま返すぞ」


「だってー、せんぱいが行ってくれないから何回も言わないといけないんじゃないですかー」


「はいはい、また今度な」


「言いましたね!今度って!ちゃんと聞きましたからね!」


「いや、さっきも言っただろ?」


そんなやり取りをして、今日も家に帰る。


「はぁ、アイツ俺が好きなのは分かるけどアプローチが激しくてちょっとめんどくさいなぁ」

「アイツには俺なんかよりもっとふさわしい相手がいるだろう。早めに俺のことは忘れてもらわないと。」


好きになってくれるのは嬉しいが、あの子はいい子だ。僕よりふさわしい男がきっといるのだ。僕と付き合ってもきっと彼女は幸せにはなれないんだ。


「あー、これも中二病っぽいなぁ。大学生にもなってまだ中二病治らないとかヤバイな。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ただいまー」

返事はない。親は共働きで帰ってくるのは大学生の僕より遅い。いや、大学生が早いだけかもしれないが。



「ただいまー」

しばらくすると両親が一緒に帰ってきた。

「おかえりー」


「御飯買ってきたから食べようか」


そんなことをして今日が終わる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今日も自分でもよく分からないことを考えながら講義が終わる。


「LINEが来てる」


『ごめん、今日はバイトあるから先に帰るわ』


『おっけ』


じゃあ、今日はぱっぱと帰るか。帰ったら何しよう、そんなことを考えながら帰っていると昨日と全く同じ展開が起こる。


「せんぱーい」


昨日考えたことを言うしかないな。


「僕は君とは付き合えない。」


「え?い、いきなりどうしたんですか?」


「君が僕を好いてくれるのはもちろん嬉しいよ。」


「じ、じゃあ、なんで?わ、私はせんぱいが・・・」


「君には僕よりももっとふさわしい人がいるよ。じゃあね。僕を好きになってくれてありがとう。君の幸せを祈ってるよ」


「え?.........えへ、えへへ、えへへへ」


不気味な声が聞こえる。振り向くと不気味なオーラを纏った後輩がそこにはいた。いや、オーラが見えているわけではない。だが、オーラが出ている。そんな感じがした。目からはハイライトが消えている。


「お、おい。どうしたんだ?」


「えへへ。せんぱいが悪いんですよ。変な理由で私を振るから。」


「別に変な理由なんかじゃ...」


「いいえ、普通に振られるなら別によかったんです。でも、あんな理由で振られたら狂ってしまいますよ。せんぱい以外なんて考えられないんですよ。」


「だから、全部せんぱいが悪いんですよ。えへ、えへへへ」


「お、おい、落ち着けって。」


「せんぱい・・・・・・一緒になりましょ?」


「ま、待て!」


「これでずっと一緒ですね♡」





ここで僕の物語は終わりだ。



少なくとも僕自身はそう思っていた。


「うーん。.......え?ここはどこだ?」


目の前には見知らぬ景色


「おいおいおい、なんだよここは。異世界とかじゃないだろうな?」


また中二病っぽいことを言ってしまう。最初に出てくるのが異世界とは。


「なんだよこれはラノベかよ...」


全然嬉しくない。


「どうすんだよこれ」



どうやら僕の物語はここで終わり初めてなんかではなく始まりだったようだ





つまりこれは僕が脇役から主役になるお話しだ。

初めましてマキシマムビルドです。名前の由来は何となく察して下さい。しっかりと完結はさせたいので見てくれる方が一人でもいてくれればありがたいです。

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