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レイの闇

久しぶりです。

短めですけどお願いします。

ーーここはどこだろう。

私は闇の中にいた。どこまでも限界がない深い深い闇。

怖い。寂しい。助けて。

そんなマイナスな思いが沸き立つ。

たしか、私は黒髪の少女に操られて...。

だめだ、そこからの記憶が無い。


「気になるのか?」


暗闇の中、声のした方を向くと黒髪の少女が立っていた。

真紅の瞳が真っ直ぐと私を見る。


「お願いします、私を解放してください」

「それは無理だ。貴様は我の半身として未来永劫働いてもらう。どうしてもと言うなら意識だけは戻してやろう」


次の瞬間意識が一瞬飛び、気が付くと地下室にいた。


「う、うそ...。これって誰が...」


私の目の前には仁さんが糸の切れた人形のように地面に倒れていた。

体を動かそうとしても指一本動かすことが出来ない。


「無駄だ。主導権は我が握っている」

「誰がやったんですか!?」

「これか? 貴様がやったんだ。覚えてないのか? 仕方がない、記憶だけ見せてやろう」


そう言って指をパチンッと鳴らすと意識が一瞬飛ぶような感覚に襲われる。

フラッシュバックするように仁さんを殺すつもりで残りの魔力を吸い取る記憶が思い出す。しかも、そのときの感覚や気持ちまでもそっくりそのまま頭に焼き付く。

この世のものとは思えない高揚感。自分の感情ではないことは百も承知だが、バクバクと鼓動を打つ心臓を抑える。


「どうだ? あのときあの男を殺った時の感覚だ。気分がいいだろう?」

「こんなの...私のものじゃない!」


力強く自分に言い聞かせるように言い放つ。きっとこの感情に流されたら元の自分に戻れないだろう。

本能がそう告げる。


「だがこれは貴様の奥底に眠る闇を我が増幅されたものだ。貴様もあの男が憎かったのだろう? 自分を道連れにこの世界に来たという身勝手なあの男が」


ゆっくりと私の脳に染み渡るような声音で少女は言う。


「どうしてそのことを...!?」

「身体を乗っ取ったときに記憶を覗かせてもらった。貴様が天使だとは思わなかったがな。しかしどうだろう? 貴様から天使という役職を奪い、こんないつ死ぬかも分からない世界に来てしまった原因は誰だ? そう、宮野仁だ。あいつがいなければ貴様はこんな目に遭わなくて済んだのだ。殺せ、貴様自らの手で引導を渡してやれ」


違う、私が仁さんを恨んでいるなんで嘘に決まっている。

.........本当にそうだろうか?

仁さんさえいなければ私はこの世界に来ることがなかった。

そのせいでスライムやギガンテスに遭い、死ぬかもしれないという場面に何度も経験した。

挙げ句には堕天してしまうという天界最大の禁忌を犯してしまった。

この人さえいなければ...。

気が付けば右手を倒れている仁さんに向け、魔法陣を展開していた。私程度の魔法でも今の仁さんの息の根を止めることは容易だ。

.......そこに迷いはなかった。


ズドンッ!


重く、鈍い音が響く。

仁さんの心臓目掛けて放たれた魔法は仁さんの身体を貫いた。

紅い鮮血が仁さんの身体を中心に拡がる。

殺ったのだ。私は人を殺したのだ。

再び心の底から高揚感が湧き上がる。

今度は私の意思の感情だ。

何かが外れるような気がした。


「......ふふっ...ふふふ.........あはっあはははは!!あははははははははは!!!」

「堕天したらここまで悪に堕ちるのか」


少女が興味深そうに呟くがそんなことはどうでもいい。

私は今、胸が踊り、この世界に絶望を与えたいだけだ。

改めてお久しぶりです。

モチベが湧かなかったんで投稿出来ませんでした。失踪はしないです。はい。

味方の闇堕ち展開好きなので書いてて楽しかったです。

仁は死にましたけど、主人公は変わらないのでご安心を。

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