表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
相生様が偽物だということは誰も気づいていない。  作者: 大野 大樹
三章 意識と無意識
22/165

6.悩む武生

 武生はこの頃、ちょっと自分が分からなくなっていた。自分の意志とはたぶん関係なく、四朗のそばにいることが、多々ある。

 なぜ、たぶんかというと、無意識のことだからだ。

 考えてみれば、四朗のそばにいる理由なんてない。相崎と四朗が喧嘩をするからというならば、喧嘩が始まってから止めに入っても間に合う。いつ始まるか知れない喧嘩を見張っているというのも、おかしい。

 それどころか、聞くところによると、自分は四朗に触れようとする「誰か」も排除しているようだ。何気なく。

 その様子は、一部の女子からは「四朗様の騎士」と呼ばれているようだ。

 全くもって不本意だ。

 記憶が全くない‥というか意識が全くないというのが恐ろしい。

 まるで何かに操られているようだ。

 一体何のために、俺を操るのか、操って四朗を守って(かどうかは、わからない)どうするのか? 

 そもそも、四朗を守る理由がわからない。あいつは、男で、体力はないが武芸にだって秀でている。

 しかも、何から守るというのだ。

 敵? 馬鹿馬鹿しい。

 触ろうとする全ての人間が敵って、それじゃあやたら独占欲の強い恋人みたいじゃないか。

 勘弁してくれ。そんなわけがない。

 しかも、無意識でそれをしてしまうって‥。どれほど‥

 武生は思わず頭をかきむしった。

「どうなってしまったんだ。俺は‥」

 なんてことはない。紅葉に憑いている臣霊 月桂の洗脳のせいだ。

 七年間毎日一緒に暮らしてきて、すっかり紅葉第一主義になった月桂等にとって、紅葉以外のことなんてはっきり言ってどうでもいい。

 その後、鋼の意思で、四朗から距離を取ろうとする武生と、さらに洗脳を強化する月桂の攻防戦は暫く続き、一部の女子からは「相生君との禁断の恋に悩む武生君」という更に不本意な噂をたてられるのだった。

 だけど、まあ、今のところ相生君が偽物だってことは武生も気づいていない。距離を取ろう取ろうと意識しているから、多分、これからも気づくことはない。

 むしろ危ないのは、何かを気づいた相崎なんだけど、あいつはかわいい女の子以外、基本的にあんまり興味がないから、やっぱりセーフ。

 紅葉の偽相生君生活は、もうしばらく続くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ