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1人目 人喰い女

始まりました!怖いお話本編です!


それでは張り切って参りましょ~♪

「いや~、あん時はまじびびったわ」


 そんな声が聴こえてきた。


 梅雨が明け暑さが本格化してきた夏のある日、教室の廊下側の席からだった。

 この時期お決まりの怖い話で周囲は持ちきりだ。自分のクラスも例外ではない。


 俺は自分の席で頬杖を突きながら耳を傾ける。

 話していたのは最近世間で話題に上がる「人喰い女」の話だった。


 どんな話かというと陽が沈みかけの、所謂逢魔時に1人で暗い路地を歩いていると、若い女に「困り事があって手伝って欲しい」と声を掛けられ、了承すると先に済ませる事があるから待っていて欲しいと言い残し、女が路地の暗がりに消えていく。

 言葉通り戻るまで待っていると喰われる、と言うか行方不明になり、戻ってくる前にその場から逃げれば助かるというものだ。


 名前が安直過ぎる上にありきたりすぎて、正直怖くない。

 噂では済ませる事というのは先の犠牲者を食べる事だとか、実は裏の組織が人身売買の為に拉致しているんじゃないかとか色々な噂がある。


 話していた奴は出くわした時に了承し、待ってる間に好奇心で女が消えた暗がりに様子を見に行ったらしい。

 なんでも近づくごとに「バリ、ゴキ」という音が大きくなっていき、物陰からちらっとうずくまる女を見て、音が女から聞こえる事に怖くなって逃げだしたらしい。


 済ませる事が食事なのには現実味が出てきたが、確認するならちゃんと見て欲しい。

 まぁ、どうせ噂話にかこつけた作り話なんだろうが。


 それから数日後、話してたクラスメイトは学校に来なくなった。

 別に虐められてた訳でも無いし、登校拒否するような奴らとは真逆の性格だったと思うんだが。

 担任が親に掛け合ってもはぐらかされるばかりらしい。


 程無くそのクラスメイト家族は引っ越して行った。

 きっと急に決まって会ったら泣きそうなのが嫌で引きこもったとかだろう。水臭い奴だ。

 向こうの親も説明すりゃいいのにとは思わなく無いが、もう過ぎたことだ。


 俺はクラスメイト達に挨拶をして学校を出る。

 そういや今日は購読してるマンガの新刊発売日だったか。

 俺は目的のもんを買って適当に立ち読みして帰ることにした。


 ふと気づくと外はだいぶ暗くなっていた。

 思いのほか時間を潰しすぎたらしい。

 早く帰らないと親に怒られるなと思いつつ俺は本屋を後にする。


 遠くの空の赤みで写し出される雲が不吉に感じながら、早足で家の近くの路地に入る。

 しばらく歩いていると前方に人影が見えて、人が居る事に俺は気が緩んでしまった。

 立っていたのは美人な女の人で、暗がりに溶け込むような黒いワンピースみたいな服を着ていた。


「ちょうどいいところに。ちょっと困った事がありまして、すみませんがお手伝いいただけませんか?」


 女の人からそんな声が掛けられた。

 俺は返事をしそうになったのを飲み込む。

 普段の俺なら二つ返事で快諾する所だが、脳が、身体が、全力で警鐘を鳴らしていたのだ。


 陽は沈んで空は赤さを失って藍色と黒に染まる逢魔時、路地、困り事があると言う若い女・・・


 よくよく見ると美人だと感じるはずなのに、顔がはっきりとしない。どこか霧がかっている様な薄気味悪さがある。


 こいつが噂の人喰い女・・・?


 俺は自分の直観を信じて全力で女が居るのとは別の道に駆け出し、家に向かう。

 いつもは雑多な虫の鳴き声が聞こえるのに、今日は嫌にシンッとしている。

 それがさらに俺の焦燥感を掻き立てた。


 何時間走ったのか、実際は距離的に5分も走ってないだろう。

 嫌な汗で全身ぐしょ濡れになり、クタクタになりながら玄関のドアを開き中に入る。


 疲れた・・・家までやたら長く感じたな。

 シャワーを浴びてさっさと寝たい。

 とりあえず居間に向かおう。


 家に着いて安心しきった俺は、家の中が嫌に静かな事に気づけなかった。




 ・・・そいえば返事も無しに逃げ出した場合どうなるんだろうか?

 噂では特に何も言っていなかったが。


「いああぎあぁう」


 そんな声が背後から聞こえて来たが気のせいだろう・・・

いかがでしたか?

バードな肌が立ってくれたら嬉しく思います♪


実は夢に見たお話しなんです・・・(´Д⊂グスン


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