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迷いと戸惑いと絶望の果ての新しい人間像

作者: 灼無戯

悩みは誰にでもある。それは意味があるものもないものも含めてすべてに意味がある。

人間はわからないものだ。

わからないことがわからないものだ。

過去は今も生きている。未来は今、現在になる。

現在は今、過去になる。

人間は、先の先を考えるほど高度に発達した知能を有していない。

あくまで可能性の予測ができるのみだ。

数式に当てはめたり、統計をグラフにしてみたり、判例から結論を導いたり

しているだけだ。

未来というものは、誰の手の上にもない。

誰の手の上にないけれども進んでいくものだ。

未来は、多くの人の手には余るものなのだ。

手に余っても進んでいくものだ。

手からこぼれ落ちた未来はどこにいくのだろうか。

熱になって世界に還元されるのだろうか。

有機的な存在はどこにいくのだろうか。

無機的な存在のように無に還るだけではないのだろうか。

結末は誰も知り得ないしわかりえないのだろう。

人間は時間と空間の中に生きている。

時の間、空の間に、そして人の間に生きている。

そして、その間にはいくつもの波がある。

バイオリズムとも言えるそれは、個々の人間が持っている自分の時間や価値観

しいては存在そのものであるとする。

人に何かあったとき次のような言い方をする。

あの人は間が悪かった、と。

間が悪いとはよく言ったものだ。

本当にそういう人は存在する。

それは運命なのか。運なのか。それとも実はまったくもっての偶然で、

ただ、そのときにそうだったという事実だけなのか。

あまり、運命だとか言うありきたりの陳腐な考えで物事を片付けたくはない。

けれど、確実に間の悪い人間は存在するものだ。

人間のおかしな所は、救いを求めているのに、直接救われるようにはできていないことだ。

人間は人間を根本的には救えない。

手助けをするのみだ。

運命だろうと運だろうと、その人の人生だからその人が変えるしかないのだ。

たまに、自分たちよりも上位の絶対的な存在を自分たちの外部に置き、それを信じ、

そこに救いを求める人もいる。

ただ、私はそれで真の意味での救済ができるとは思わない。

それは、上述の通り自分でしか自分は救えないと考えるからだ。

しかし、だからと言ってそういう人たちを軽蔑したりはしない。

なぜなら、それはそれである意味で非常に合理的な解決だからだ。

自分でどうにかしようとするから、どうにもならない現実に負ける。

それならば、外部に絶対的な存在を置き、それを肯定してしまえば、長い目で見た時にその人は救済される。

さて、間が悪い人間の話に戻る。

間が悪い人間とはいったいなんであるのか、だ。

そんな人間が存在するのは、きっと必要があるからだと考えてみる。

この世の中にあることを、すべて必要があると考えるなら答えとして正しい。

けれど、その先を考えたい。

本当に無機物的な世界観で考えてみたい。

そこで考えるとこうなる。

すべての存在に意味などないのだ、と。

つまり虚無なのだ。

それではあまりに味気ないという人も多い。

自分が自分であることや、自分がここに今いることに何ら意味がないのだ、ということだからだ。

けれど、救いがある。

人は考えることができるのだ。

それを考慮すると、意味は自分で創ればいいのだ。

その意味で究極的な個人の世界が今、私達を待ち受けている。

注意として言いたいことは、もはやマジョリティーはマジョリティーでなく、世論は世論ではない。

マジョリティーは間違っているかもしれないし、価値がないかもしれないのだ。

自分で自分を創り、自分で自分の意味を創ることが生きていくために与えられた道なのだ。

人の意見を聞くな、とは言っていない。

空気を読むな、とも言っていない。

自分という強固なアイデンティティを確立した上で、上記のことをする必要があるのではないか、ということだ。

新しい世界が始まったのかもしれない。


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