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空の人間  作者: 名乗る程の物ではありません


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3/3

異世界の始まりだ

ぷよぷよと擬音が聞こえてきそうな感触がする

爽やかな風が頬をかすめる

そろそろ目を覚ませと言われているような


「わかった、わかったよ」

そんな独り言が出るほどにさっきまでの雰囲気とは違っていた


ん?なんだか地面に違和感がある

下を見てみると水色の固体のような


生物の様な?


「あっ、悪い悪いお前スライムかごめんな」

スライムを踏んづけてしまっていた。

いや、まあ俺も好きでこうなった訳でもないんだけど

ぷるぷると震えながら平たい状態から球体に近い状態になった


「よかったよ、特に命に別状無さそうで」


するとスライムの形状が少し変わり

「平気だよ、少しの衝撃なら吸収できるから」


突然のことに俺は少し驚いたが話ができるならそれに超したことはないと話をしてみることにした。


「驚いたな、言葉が話せるのか?」

「うーん、スライムが言葉を話せるって意味なら違うよ?私だけだよ人間(ヒューマン)の体を少し真似してね、喉を形成すると声が出せるの」


楽しそうに俺に説明をしてくれるこのスライムはどうやら相当人が良いらしい。


「ずっと話がしたかったのに、私を見ると斬りかかって来るか、逃げちゃうかだったから」と少ししょんぼりしたように感じる

「だから不思議!なんであなたは私とお話してくれるの?」


特に理由はなかった。強いて言うなら異世界ではモンスターを仲間にできるのが一種のテンプレになっているからというのが本音だ

「特に理由は無いよ、あと一つ質問があるんだけど」なあに?とスライムが聞き返してくる


「喉を形成できてるなら、全身いけたりするの?」

うーんと少し唸り困ったように答える

「時間をかければいけないこともないけどする必要がないし」

おお、流石スライム!とまるで友達かのように話をしているとふと気づく。


「あっ、自己紹介がまだだった、俺は如月成夜(きさらぎせいや)よろしく」


困惑したようにスライムが口を開く

「私には自己紹介できることないよ?」

ああ、そうかまるで人間と話しているような気がしていたけどこいつはスライムだった


うーん

「名付けしてもいい?」

するとスライムは首をかしげ(まあ首はないんだけど)

「別にいいけど、名前ってモンスターにつけるもの?」


「人とかモンスターとかって関係あるのか?」

そう言うとスライムは少し驚いたような反応をする


「……関係、ないね」

「だろ?」

なんだか話をしているとモンスターも人も大して変わらないみたいだしな


「じゃあ早速名付けさせてもらおうかな」

そう言った瞬間ズキンと頭痛がした、同時に吐き気がしたが今はこいつ優先だ


「?、大丈夫?なんか顔色悪いよねやっぱり」

余計な心配をさせてしまったらしい

「大丈夫だよ、心配しなくても」

スライム怪訝そうな態度を見せる


「じゃあ、レイとかどう?」

名付けた途端何かが繋がったような気配がした

「レイ……レイか、うん、嬉しい」



「ところでセー君やっぱり体調おかしいよね」

余り心配させたくはないし、多分大したことないはず

「大丈夫だよ、心配する程じゃ」

俺が言い終える前にレイは変形をはじめていて

「ん?どうした?」


気づくと目の前に美少女がいた

「いや、時間かかるとは?」

レイは得意そうな顔をして

「ふふん、だから数秒かかったでしょ。ってそんなことはどうでも良くて」

と言うとこっちに近づいて来て



キスをされていた。

声をあげる暇もなかった。口の中に流れ込んでくるものを感じる

息ができなかった。まあ、当たり前だろう俺の意識は途絶えたのだ


◆◆◆◆


気がつくと真上にあった太陽はすっかり沈み、あたりは静寂に満ちていた


改めて俺の状況を説明すると異世界の見知らぬ転移したと思ったらスライムの上におり、そのスライムに名付けをしたらキスされたのである。


うん、よくよく考えてもよくわからんな


周りを見渡すとすぐ近くに人型のレイが焚き火をしていた。異世界の定番、焚き火か


レイはこちらに気づくと

「あ、起きた?やり過ぎちゃったかと思った」

少し肌寒かったからすぐに焚き火に近づくと

「実際死ぬかと思った、なんであんなことしたんだ」

「セー君体調良くなかったでしょ?だから」

「いや、意味がイマイチ」


うーん、あ、そっかと言うと

「セー君って異世界人だっけ?」

「はい、まあ、一応」

謎の謙遜をしてしまうのは俺が日本人だからだろう


「じゃあねーこの世界のことから説明してあげるね」

そういえばこの世界について何も知らないな、それは願ったり

「是非ともお願いいたします」

「良いでしょう、まずねこの世界には空気中に魔力が満ちてるのそれでね基本的にどの生物もそれを魔力回路で吸収して生きてるんだ」


魔力回路と言うんだから魔法はあるのだろう、空気

中に魔力があってそれを吸収、酸素みたいなものだと捉えればいいのか?


「だけど、なんでかセー君には魔力回路がなかったの」

「え?そんなことあるのか?」


うーんと少し考えると

「私は聞いたことも見たこともないんだよね」

「スライムってネットワーク凄いって聞くけどな」

「うん、自慢じゃないけどスライムは情報が回るのは早いと思うよ」

それなら確実な情報と捉えてもいい訳か


「それでそれがなんかあったのか?」

「そうそう、それでね魔力回路っていう吸収する仕組みがないのに魔力は吸っちゃっててそれでセー君の体がね、変になっちゃってたの」


「あー、そっかそうなるのか、起きた時からあの頭痛とか消えたもんなあ、寧ろ体が軽いくらいだ、それで解決方法は?」



「私をセー君の魔力回路にした」

は?

「は?」


「いや、だからね、私の一部をねセー君の体内に入れて魔力回路の代わりにしたの」


ハッとしてレイをよく見ると気絶する前よりも少し小さくなっているように感じた。


「お前何してんだ!」

「え?だ、大丈夫だよスライムは大部分魔力でできてるからすぐ回復するよ?」

「そういう問題じゃないんだ、自分の体を犠牲にしてまで俺を助けてくれてありがとう、でもダメだ二度と自分の体を犠牲にするようなことするなよ」

「う、うん」


なんで会ったばかりの俺に自己犠牲してまで?

わからない


「とりあえずセー君寝たら?もう真っ暗だし」

「お前は?」

「え?私はいいよスライムだもん寝なくてもいいの」

それじゃあ俺が寝たらレイが1人になってしまう

「じゃあ俺も寝るわけにはいかないな」


レイは残念そうな顔をする

「え〜、せっかくお膝用意したのに?」

そのビジュアルで言われると冗談抜きで照れるんだよな。

「な、なんでそこまで俺に優しくするんだ?」

レイは不機嫌そうに小声で

「話逸らした」と言うと強引に俺の頭を膝に固定した


「その馬鹿力はどこから来るんですか?」

「スライムは非力だとでも思ってたの?まあいいからそのまま寝なさい」


膝枕されている状態で寝る経験なんかないんだがな、それにしても太腿の感触はスライムそのものだと思っていたのにそれなりに暖かいし潤ってるし人肌と似たような感触もする


なんだこれ寝れるぞ!寝れてしまうぞ!


ん?頭に何か、って

「あの、自然に頭撫でるのやめてもらっていいですか?」

「なんで?」

「なんでと来ましたか、余りにもレイがヒロインムーブし過ぎててなんか、照れるんだよ」


その後も俺の頭を撫でる手は止まらずあろうことか瞼が重くなってきた。


これは、この腿は、人をダメにする

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