不思議な空間で
目の前の光景、真っ暗な空間、そんなものに意識を向けだした頃
”それ”は見えた
当たり前のようにこちらに手を振っていた
そんなの気にならないわけがない、ゆっくりと近づいてみた
そこにいるのは少年と老人だった
少年は口元を手で押えていて、老人は車椅子に乗っていた。
「やあ、こんにちは」少年が口を開いた、いや口元は見えていないから想像でしかないのだけど
「ああ、でも君からしてみればおはよう、かな?今目を覚ましたわけだから」
何かを言おうと思った、何も言えなかったそれどころか身体が動かなかった
「ふむ、返事は無しか、儂らを警戒しとるのか?それとも_」
少年が割り込んだ
「まあいいじゃない、耳は聞こえてるんでしょ?」
問いかけに対して答えようと頷いたがそれが見えていたかは分からない
「まず、当たり前のことを言っておくよ、僕達は君で君は僕達なんだ」
わけがわからなかった。
まあ、アニメやゲームの意味深な台詞あるあるではあるのだけど実際言われると混乱が多少はある
まあ、何か反論を言おうとしても言えないけれど
「儂らはお前そのものと言ってもいい、お前に理解をしてもらおうとは思っていない」
その時どこからかドスッと鈍い音が聞こえたような気がする
「あれ?おかしいなもう少しお話できるはずだったのに、まあ、無理をさせても忍びないし」
「一度世界を見ておくのもいいだろう、少し予定は狂ったが」
老人の車椅子の車輪の音が聞こえたと思うと、俺はいつの間にか意識を手放していた。




