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第24話：後背の憂い

許都での生活に慣れてきた頃、曹操は、次なる一手として、東の徐州を完全に平定することを決意した。そこには、かつて呂布を迎え入れ、曹操に反旗を翻した、劉備という人物がいた。彼は今、呂布を追い出し、徐州の主となっていた。

「袁紹との決戦を前に、後背の憂いを断っておく必要がある。劉備を討ち、徐州を完全に我がものとする！」

曹操の号令一下、大軍が編成された。

劉星と天狼隊も、この徐州討伐軍に加わることになった。

「飛翼、お前の部隊は、先鋒として敵の戦力を探れ。だが、深追いはするな。お前の役目は、あくまで偵察だ」

兗州での功績を評価されてはいたが、まだ若く、実績の少ない劉星には、地味な役目が与えられた。

（まあ、いい。戦場で、俺たちの力を見せつけてやればいいだけのこと）

劉星は、不満を顔には出さず、命令に従った。

徐州での戦いは、熾烈を極めた。劉備は、決して弱い将ではなかった。その下には、関羽、張飛という、万夫不当の猛将がいる。

天狼隊は、得意のゲリラ戦で、劉備軍の後方をかき乱した。だが、劉備軍の抵抗も激しく、戦いは膠着状態に陥った。

そんな中、下邳（かひ）の城を守っていた呂布の旧臣たちが、曹操に寝返るという事件が起きた。これにより、劉備は本拠地を失い、関羽は捕虜となり、張飛と劉備自身は、わずかな手勢を連れて、北の袁紹の元へと落ち延びていった。

徐州は、平定された。

だが、この戦いの中で、劉星は、一人の武人と、運命的な出会いを果たすことになる。