第23話 番外編 ドラゴン。
「おーい、ティーナ?お前に手紙が届いてるぞ?」
子ども部屋にいる妻に、手紙を届けに行った。
「しいいいいいい!」
「あ、すまない。寝たのか?」
「眠ったみたい。今日は同じ本を三回も読んだわ。うふふっ。」
「いいなあ、俺にも読んでくれよ。眠るまで。な、奥様?」
「え?アウリスもお昼寝するの?」
微妙。俺の妻に婉曲な言い回しは通用しない。
「あら?リーサから!久しぶりだわ!」
3人の子供は良く寝ている。少しの間シッターに見てもらうことにして、妻とティールームに向かう。
「あらあら。」
「ん?どうした?リーサって、大公家のあの娘さんだろう?」
「うふふ、そうよ。結婚するんですって。へえええ。リーサは結婚しないって言い張ってたのにねえ。どうもお相手がついにドラゴンを捕まえたらしいわ。」
「は?俺にわかるように言ってくれるか?」
暖かな午後の日差しが差し込んでくる。
俺は紅茶を入れながら、楽しそうに手紙を開く妻を見る。
そう、紅茶の入れ方をこいつに教え込もうとして勉強したら、無駄に上手になってしまった。以来、二人きりの時お茶を出すのは俺の仕事。
カップを持って、妻の隣に腰かける。
「あのね、ある国にお姫様と騎士が居てね、二人はお互いに好きあっていたんだけどなにせ、身分が格段に違うでしょ?」
「・・・お前の妄想小説の話?」
「まあ、聞いててよ。それでね、その国を襲ったドラゴン退治に二人で出掛けるの。二人で力を合わせて、ドラゴンはその国からは追い出せたんだけど、その逃げたドラゴンを追って騎士が旅に出るの。」
「・・・はあ。」
「何年かたって、騎士がついにドラゴンを退治して戻るのよ。それで、国王に、何でも望むものをやろうと言われて、姫を娶るの。めでたしめでたし。ね?」
「ね、って。この時代にどこにドラゴンがいるの?」
「それがねえ、いたのよ!青いのと黒いの。」
「俺、随分お前の発想について行けるようになったなあ、って思っていたんだけど、今回はさっぱりわかんない。」
「まあ!青竜と黒龍よ!!」
あ、公にはなっていないけど、フラル国の何年か前のごたごただな。関わった貴族とチンロン商店の店主が処刑された。あれ、か。王室を揺るがすほどの事件だったな。
そう言えばその後、エクルーズ商会はフラルの王室御用達になっていた。一枚かんでたのか。
「で?黒いほうの龍は?」
「んーーーなんだかね、ちょっとよくわかんないんだけど、その騎士は実はヘイロンの弟だったらしい。って書いてある。」
「へえ。」
お前の書く妄想小説よりすごいことが本当にあったりするんだな。
「結婚式はフラル国で挙げるらしいの。行ってくるわね。」
「いや。俺も行く。」
「えー子供たち見ててよ。」
「おじいちゃんとおばあちゃんに見てもらえばいいだろ?妹も…なんならユリアナの家族ごと呼んでも良いし。」
「あら。そうね?そしたら子供たちも寂しくないかも。」
「だろう?たまには二人きりの旅行もいいよねえ。ね、ティーナ?」
奥さんの肩に手をまわして、髪をいじってみる。二人きりなんて、何年振り??ふふふっ。
「ライラにも連絡しなくちゃ。絶対に行くと思うけど。」
「・・・・・」
空気読めよ。
真ん中の2章分をすっ飛ばすというミスをしてしまいました。あげなおしました。読んでくれた方、本当に申し訳ございませんでした!




