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放課後幼馴染と...。

 帰りのホームルームも終わり帰宅の時間、いつものように帰ろうとしたら、幼馴染に呼び止められた。


「待っててっていったじゃん!!」


 そういえばめいと一緒に帰る約束をしていたのだった。5、6時間目の授業の間にすっかり忘れていた。


「おおすまん、忘れてた」


「何してんのさもー! さっさと終わらせてくるからここにいてよ?」


 そう言い残すとめいは掃除をしに行った。せわしないやつだな。


「おう、どうした、誰か待ってんのか?」


 親友の長谷部 優希が声をかけてくる。相変わらず今日もさわやかな野郎だな。


「ああ、幼馴染のめいをな」


「ああ、なるほどな。おっと、当番行かないと。じゃあまたな!」


 優希も俺と同じ図書委員だが、優希は基本放課後に当番を入れている。昼はいつもあいつの彼女がうちのクラスにくるからな。そう考えると昼にあまりうちのクラスに来てくれなかった元カノとはやっぱり微妙だったな。


「おう、またな!」


 優希は基本的に運動とかもなんでもできるタイプだが、俺と特別仲がいいからって図書委員に入ってもらってるのが少し引け目ではあるな。


 スマホを見ながら時間をつぶしていると、めいが帰る用意をしてもどってきた。


「よし、我が家へ向かってレッツゴー!」


 こいつはいつも元気だな。もう少し自重したほうが良いとおもうが。


「少し落ち着け?」


「いやだねー! ほら! 帰るよ!」


 めいに強引に手をつかまれ引っ張られる。待って普通に痛い。


「ちょっま、マジで落ち着け!?」


 そのまま引っ張られ続け下駄箱まで引きずられた。手が痛い...。


「加減というものを知れ!?」


「ええ? 弱い」


 かちーん。めいに馬鹿にされるがまぁ確かにその通りなので俺はなにも言えない。今一度俺のスペックを確認すると、身長173cm、体重53kg、握力35kg...。シャトルランとかは50行かないし、やっぱり運動は苦手だ。


 対してめいは勉強ができない代わりに、運動は人並み以上だ。多分男女間ではあるが俺とめいの運動神経は同じくらいだ。


「ふん、早く靴履き替えてでるぞ」


「あ、話題そらした。仕方ないな~」


 そう言いつつもめいはどこかうれしそうだ。なんでや。


「ほら、行くぞ?」


「うん!」


 めいを引き連れてバス停まで行く。いつもは割と人が多いんだけど今日は少しすくないな。これなら席に付けそうだ。


 少しまってから来たバスに乗ると、二人用の席しか空いてないようだった。立つべきかと悩んでいると、めいが俺の手を引いて二人席に座る。


「え? なに? 立つの?」


「いや、別に」


 割と男女間だから一緒に座るのはどうかと思ってはいたが。めいは一切気にしてないようだった。


「ねね、見てこれ」


「うーん?」


 めいは袖を引いてSNSで人気の投稿を見せてくる。やっぱ気にしてないな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「流星、そろそろ付くよ?」


 耳元に声がして目が覚める。バスの中で寝てた...。そういえば昨日寝不足だったしな。しかし、声が近い。ほぼ耳打ちのような感じだからな。すこし耳がぞわぞわする。


「お、おう」


 とりあえずバスを降りてめいの家にむかう。途中に俺の家があるので、よって俺は着替えを済ませておいた。制服のままだと面倒だしな。


「私服なんか久々に見た気がする」


 そういえば彼女ができた後からプライベートでめいに会うのは避けてたしな。


「そうだな」


「とりあえずうちいこ!」


 めいは明るい笑顔でいう。今まで申し訳ないことをしたな。別れたからって急に仲良くするのも都合がいい相手であるみたいな認識になりそうでほんとに申し訳ない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「お邪魔しまーす...」


 久しぶりにめいの家にはいった。1年以上ぶりだろうか。


「あら、流星くん? 久しぶりじゃない!」


 めいの母のくみさんだ。久しぶりにあったけど全然変わってないな。


「お久しぶりです」


「上行くよ~」


 めいはどうやら俺とくみさんをあまりお話させたくない様子。そうそうに二階に上がるよう指示された。


「はいよー」


「頑張って勉強するのよ~」


 くみさんがめいに声をかける。


「わかってるよ~」


 二階に上がりめいの部屋に入るとぬいぐるみがベットにきっちり並べられ、しっかりと整理された勉強机があるいかにも女の子というような部屋になっていた。前はぬいぐるみとかはあまりなかったような思い出があるが...。


「ぬいぐるみ買ったのか?」


「そうそう、この1年でいっぱい買っちゃった。可愛いでしょー」


 めいは馬のぬいぐるみをかかげる。その馬の背中には『菊花賞 クジラサーベル』と書かれている。そういえば数年前に有名になったんだっけ?


「馬ね。俺としてはこっちの猫のぬいぐるみが好きかな」


「あ、ちょっと待ってそれは!」


 俺が猫のぬいぐるみを持ち上げるとそこから紙がひらひらと落ちた。


「あ、なんかまずかったやつ?」


 俺が紙を拾おうとするとめいに横からかっさらわれた。なんかめい焦ってる?


「どうした?」


「な、なんでもない」


 心なしかなんか顔が赤いような。あれ、なんかデジャブ。


「さ、勉強を始めよう?」


 めいはどうやら話題を変えたい様子。まぁ別に追及する気もないしな。


「いいぞ。ところで数学だったよな?」


 めいに事前に数学という話を聞いていたので家に寄った際、数学以外は置いてきた。


「そうだよー! 今日はこの平面上のベクトル、ってところ教えてほしくて」


 ちょっとまて?平面ベクトルって前回の範囲だぞ?今は空間ベクトルの話をしているはずだ。


「空間ベクトルじゃないのか?」


「先生から平面ベクトルにZを足しただけって聞いたから平面ベクトルもわからないのにわかるわけないなと思って。」


 ...もはや絶句の一言以外ない。夏休み前テストは今週の金曜。今は月曜日なのでもう休日はないわけだ。間に合うのか、これ?


「ねぇ~、ここわからない!」


「いいか? ここはだな...」


 その後2時間ほど付きっ切りで勉強したが、何とか範囲内に入ることができた。学校で授業受けるより疲れたぞ。まったく。


「明日も教えて~」


 こいつ!俺の苦労を知らずよくものうのうと!まぁいい。どうせ今は家にいたって虚無るだけだ。めいに勉強を教えて時間をつぶすことにしよう。


作者テスト期間故、少し更新頻度が落ちます。申し訳ありません。

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