悪魔がウチにおりまして・92
ウチには不思議生物が集まる。
呼んでいないのに来るのが大問題である。
…嫌な予感がする。
その理由は単純で、ご飯時になったのに羊が現れないからだ。
あの羊の勘の良さと自分が巻き込まれないための徹底ぶりは尊敬に値している。
その嗅覚は笑えるのであれば率先して首を突っ込むが、自分の身に危害が及ぶのであれば一切の関わってこない徹底ぶり。
時たま、千里眼でもあるのではないかと勘違いしてしまう。
しかし、羊がそこまで警戒する相手は誰だ?
今家に居るのは悪魔、クモ、狐。
うぱに関して羊が見えないふりをしている。
そうは言ってもこの子たちは普段から居るメンバーだ、羊センサーには引っかからないだろう。
最近お姉との関係も良く見える。
良い感じにおもちゃにされている風景をよく見るのだ。
そのことを考えるとお姉でもない。
玄関のチャイムが鳴る。
この来訪者を羊は恐れていたのか。
喉を鳴らし、ドアノブを握る。
さて、鬼が出るか蛇が出るか。
「そんなに殺気立たなくても。新年のあいさつだよ」
ドアを開いた先にちょこんと座っていたのは、サビ柄のネコだった。
「明けましておめでとう。祝いの品として…」
「ダレ?」
ネコがずっこけた。
「アレ?もしかして忘れてる?ほら、堕天からキミを救った…」
「あぁ、あの嫌われ者」
「ねぇ、泣くよ?」
思い出した、思い出した。
なんか偉そうでみんなから嫌われてた子。
なるほどねー。だから羊は来なかったのかー。
「結構無礼な納得してない?ちゃんと挨拶に来たのに」
本当に泣きそうなネコを家に招くと、クモが隠れてしまう。
うぱは物珍しそうにふよふよとネコの周りを漂う。
「キミくらいだよ、そういう距離で接してくれるのは…」
よよよとばかりに泣いているネコ。
さて、何をくれたのかしら。
ネコから預かった荷物を開けると、カズノコ、いくら、身欠きニシン…うん、この子の趣味だな!
「それじゃ、帰るね」
土産を置いて早々に帰ろうとするネコ。
「せっかく来たんだから、コレでお茶漬けでも作ろうよ。アンタも食べていきなさい」
ぱぁっと明るくなるネコ。
珍しい来客だが、まぁ良いか。
今日ウチにはネコがいる。
お茶漬けをひっくり返して大慌てのネコが。
…熱いの、ダメか。




