悪魔がウチにおりまして・84
今からウチに戻る。
やっと日常に戻ることが…。
悪魔の世界において時空の割れ目が閉じられていたことにより、私たちはそのまま元の世界に帰ることにした。
帰り際に専務さんがなんか不穏なことを言っていた気がするが、なんて言っていたっけ。
扉をくぐり、畳から抜け出す。
その先にはお姉が毛布に包まり船をこいでいた。
「お姉、こんなところで寝ていたら風邪ひくよ?」
ゆさゆさと揺するが全く目が覚める気配がない。
仕方ない、お腹も減ったしご飯でも作りますか。
「悪魔、今日は何を食べる?」
振り返ると、悪魔はどこにもいない。
どうせ付いてくると思っていた羊の姿も見えなかった。
「あれ?さっきまで一緒に居たのに…まぁすぐ出てくるでしょ」
今日は人数も多いしカレーでも作りますか。
…2匹が来ない。
そういえば部屋にはお姉しかいない。
クモも狐も、うぱも姿が見えない。
おかしい。
だってきゃつらの住む場所はここだ。
出かけている?
そんなわけはないだろう。
カレーを弱火にして再びお姉を揺する。
「ねぇ、奴らどこいったの?」
再び揺するとお姉は伸びをしながら目を擦る。
「メノ、遅かったねー。ん?みんなどうしたの?慌てて」
…みんな?
「お姉、もしかして、みんな居るの?」
私の言葉にお姉の寝ぼけ眼が見開かれる。
「誰が見えない?…というか。次元ちゃんと閉じた?」
「行ったら閉じられてた」
聞くが早い、畳をぶん殴り扉を強引にこじ開ける。
「全員いる。アンタが閉じなかったから。今度は私が同行してあげる…行くでしょ?」
相変わらず頭の回転が早い姉で感謝する。
1もなく2もなく頷く。
「ちょっと待って」
カレーの火を止めて、すぐさま畳に入る。
皆で食べるカレー、焦がすわけにはいかないものね。
「あー、どうしたんすか?忘れ物?」
悪魔の世界に入ってすぐにある看守が間の抜けた声で尋ねてくる。
お姉がどこから出したのか分からないバズーカを取り出すとご挨拶とばかりに門にぶち込んだ。
「侵略者」
いっそ楽しそうに機能を失った扉を進んでいくお姉。
何をしたら良いのか分からないが、あの子たちとの日常、返してもらいますから。
再び悪魔の世界に居る。
たぶん悪魔震えて泣いているんだろうなぁ。




