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悪魔がウチにおりまして・82

「何者だ!?」

ただいま拘束されています。


結局の話だけどこっちの世界に来ているのは私と悪魔、羊だけになった。

天使は条約で入れないらしいし、歯医者はよくわからない。

狐は白狐に止められて、クモはそもそも旅に参加しなかった。

で、一番意外なのはお姉よ。

「あ、ごめーん。有給使いすぎてここで戻らないと!」

などど宣い颯爽と帰っていった。

ウソでしょ?

こっそり私の背中にうぱが張り付いているけど、他の者たちに見えないからノーカンだとしてもあまりにも心許ないパーティだろう。

私・勇者。

悪魔・魔法戦士。

羊・戦士。

うぱ・踊り子…?

これで魔界に進むのだから割ととんでもよね。


結果、畳の中に入った瞬間に門があって歯医者からもらった通行書が何と偽造判定食らってお縄。

悪魔や羊が居てもお構いなし。

そういう意味でセキュリティは高いのかもね。

悪魔はふて寝して、羊はどこから出したのかスプーンで壁掘ってるし。

看守っぽいのはスルーしているところをみると壁掘って抜け出せる見込みはない模様。

うぱは必死に無実を主張しているようだが見えていないので致し方なし。


拘束されて何時間たっただろうか。

羊はスプーン(3本目)で壁を掘り、悪魔は寝ることが飽きたのか看守にご飯をねだり(しかも届いた)うぱは手紙を書いている。

…拘束、されてますよね?

なんなら羊のスプーン、悪魔が食べたご飯の時に付いてきたものですよ?

「ニンゲンも食べます?今日のランチ、血の池を飲ませて育てたブランドハンバーガーですって」

それ、捕虜に出すものですか?

てか、血の池飲ませた牛、食いたくないわ。

「あー、ニンゲン用の輸入品もあるっすよー。うどんでいいっすかー?」

気さくだな、この看守。

「いえねー、昔ニンゲンにはよくしてもらって。よく火あぶり体験で楽しませてもらったんで」

どう聞いてもガチで焼こうとしてたんだろうなぁ。

今言わないほうがいいだろうなぁ。

自分の空気読みをセルフ誉めしておくと専務が訪れた。

「…さすがに、偽造はいただけない」

ウチらに言うな。


私は悪魔界に居る。

意外とフレンドリーな拘束をされながら。

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