悪魔がウチにおりまして・836
電車には悪魔がいる。
どうやらまたフィクションのようです。
「ニンゲン、この話がフィクションじゃなかったことありますか?」
あれ?知り合いからヤギって鳴く羊が居たことがきっかけじゃなかったっけ?
「ニンゲン、いいお医者さん紹介しますか?」
ーーーー規制中ーーーー
「悪魔、なんで電車の中に?」
「ニンゲン、冷やすものください。頭痛いです」
電車内にあるわけないでしょう。
周囲を見回すと周囲には誰もいない。
「まさか、はち「悪魔、それ以上はいけない」
自分が今置かれている立場を考えなさい。
「ところで1番のおかしなところはボクがこんなにぷりちーなことだと思うのですが」
頭のコブ増やしたろうか?
「ところでこの電車、動いてる?」
さきほどから駆動音のしない電車、外は真っ暗だから夜なのかもしれない。
「ニンゲン、ボクは知ってるです。電車の正式名称が電動客車だということを!」
スリッパって召喚できないのかな。
「そんなおバカ言ってると、もうコロッケ食べられないわよ」
ご飯をエサにしたら少しは真面目になるでしょう。
「ニンゲン、ボク別にコロッケ好きじゃありませんよ?」
メニューがそれじゃなきゃダメってわけなじゃいから良いの。
「ニンゲン!遭難したときはのろしを上げるといいそうです!」
キメ顔で言ってますけど、ここで火を起こしたら揃って燻製になるから、絶対にやめてくださいね?
「くぅ、古来より伝わりし生還方法が使えないとは!」
あえて聞きますけどアンタ楽しんでるよね?
「こうなったらニンゲン!奇跡を起こすしかありません!」
えっとスマホは通じるのかな、充電切れか。
「そんなミリも動かずに無視してて心痛みません?」
脱出出来てから痛んであげるから。
その時けたたましい音、どうやらシャッターが開く音のようだ。
車内前方から光、そして近づいてくる足音。
音は響くのに、姿は見えない。
『……あなたがた、生きてますね。困ります、正者に来られると』
誰も、居ないよね?
「声だけ!ボクら気付いたらここに居たですー!」
コイツの神経の太さどうなってんの?
『しかも魔族。困ります、帰ってください』
「だったら帰せですー!」
『……えっと、この切符を千切れば戻れます。もう来ないように』
そこには古めかしい切符が2枚落ちていた。
「ニンゲン、帰りましょー」
悪魔から受け取った切符を千切ると、いつもの家にいた。
不思議なこともあるものだ。
「ボク、殴られ損じゃないですか?」
それは自分のせいでしょ。




