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悪魔がウチにおりまして・78

ウチには悪魔がいる。

どの動物か分からない悪魔が。


「ニンゲン!真っ白です!」

朝もはよからテンションの高い悪魔に起こされたのでちょっぴりおこになりながら布団から這い出す。

窓から外を見ると確かに雪がこんこんとつもり、一面銀世界になっている。

「綺麗です、神秘的です!」

実際の神秘にそう言われた時の私の感情を140文字で綴ってもいいのだが、それは面白みがないから保留にしましょう。

天井を見るとクモがかたかた震えている。

やっぱり雪には弱いかー。

ハロゲンヒーターの首を上げて、少しでも暖を取りなさい。

クモの巣の中にうぱも潜り込んですりすりしている気がする。


宿主やどぬち殿!雪です!合戦をちましょう!」

無駄にテンションが高い狐が少し意外な気がしたが…そうか、狐はイヌの仲間か。

からりと窓を開けてあげると冷気が吹き込む。

狐は待ってましたとばかりに飛び出して雪に足跡を付けていく。

「ミミ殿!一緒に遊びましょう!」

「良くですー!」

狐につられて飛び出した悪魔。

脚を雪に付けた瞬間「ヒエッ」と悲鳴を上げて踵を返すと、窓のふちで丁寧に足を拭いて部屋に戻る。

「…ニンゲン、冷たいです」

「そりゃそうでしょうよ」

この子、やっぱり寒さに弱いんだなーと思いながらハロゲンヒーターの首を向けてあげるのでした。


「とてもいい雪を堪能いたちました」

鼻息荒く狐が戻ってくると雪玉を身体に纏わせながら上がろうとするのをはたいて落とす。

こんなにテンション上がるの珍しいなー。

「ごんちゃん、若いですね…ボクはこんなに寒いのはもうだめです…」

先ほどまでのテンションの高さが嘘のようにしおらしくなってしまった悪魔。

茶など啜る姿はなんか老けている。

「寒い時はこうして部屋の中でぬくぬくが一番ですよ」

「おい」

ナチュラルに増えていた羊にチョップを加えるも、ボケている余裕がないのか無反応でココアを啜る。

「寒いのが嫌ならわざわざこっちに来るんじゃない」

「…あっちだとキリっとしていないといけなくて…管理職ですので」

知らんがな。


ウチにはたくさんの動物がいる。

ヒーター前から動けない、寒がりたちが。

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