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悪魔がウチにおりました・785

おりました……?

え、不穏……。


「ただいまー」

いつもの通りにウチに帰ると電気が点いておらず真っ暗。

「……アレ?」

普段だったら悪魔が騒ぎながらキッチンに居てもおかしくない。

「出かけるって言ってたっけ」

電気を点ける。目の前に羊。

「おかえぶぅ!?」

危うく滅するところだった、ふぅ何事もなくてよかった。

「大事故でしょう!」

鼻血を噴き出しながら羊が叫ぶ。

それは電気を点けずにいたアンタが悪いでしょう。

「ところで悪魔は?残業?」

「聞いてませんか、ミミ君は魔界に帰りました」

……えっ?

「また健康診断?」

「ネタバラシ早いですよ?」

ほら、最初期に恥ずかしい思いしたからさ。

「ミミ君、ニンゲンさんに伝えて無かったので?」

どうだろう、覚えてないや。

「最近忙しくて悪魔とすれ違い多くてさ」

「おや、倦怠期でふぼぉ!?」

おっと、手が。

「ニンゲンさん!グーはあかんです、グーは!」

言葉には気を付けることね、私は東斗十字剣の使い手なんだから。

「まったく……今回、ちゃんと伝えてないミミ君が悪いにしろ、ニンゲンさんに隙があるのも問題ですよ?」

羊が自主的に正座しながら諭してくる。

つられて正座をして膝と膝を突き合わせる形になってしまった。

「そんな叱ること?」

私の言葉に羊は大きなため息を吐いた。

「ニンゲンさん、相変わらずですねぇ。力の割に感覚が鈍い」

面と向かってディスって来るの、珍しい。

「そう?感覚って?」

「周囲の環境の変化、ですね。実際、周囲に雑魚がうようよしているの気付いていないでしょう」

羊の言葉を受けて注意を払って見ると、明らかにこの世のモノでない存在がベランダ越しに浮いていた。

黒い球体、まるで闇の塊だ。

「何、アレ……」

「最近増えた穢れです。ニンゲンさんと言えどダメージが入るでしょう、お気を付けを」

羊は立ち上がり、そして転んだ。

「……痺れた?」

「なぜニンゲンさんはこの座り方ができるので……」

それは昔からの鍛錬だよ、キミぃ。


ウチには羊がいる。

「あ!ちょっと……あー!!」

ほれほれ、触られると楽しいでしょう?

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