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悪魔がウチにおりまして・75

ウチには悪魔が居る。

環境の変化に弱い悪魔が。


「にににん、げげげげん…ささっ寒いのです…」

部屋で毛布にくるまりガタガタと震えている悪魔。

「今夜は寒波がひどいんだって」

スマホの天気予報を見るとこの冬一番の寒波という文字。

通りで寒いわけだ。

「お金を集めると何故寒くなるのですか?」

足元に居る狐がちょいちょいと裾を引っ張り尋ねる。

そういう意味じゃなくてだね。

クモはさっきからお湯を張った洗面器から出てこない。

確か虫って寒さに弱いんだっけ。


「しかし意外ね。悪魔って寒いのとか熱いの強そうなのに」

「それは誤解です。ボクたちにも寒いの苦手な者はいますよ」

いつの間にか暖房温度を26度にして何とか体温を保つ悪魔。

そのふさふさの毛は何のためにあるのだろうか。

ちらりと悪魔を見ると同じく震えている羊が増えていた。

悪魔の毛布の中に入ろうとして冷たさで足蹴にされている。

羊、お前もダメなのか。

ちょっと早いけど、ゆず湯にしますか。


近くのスーパーに行ってゆずを買い戻ると皆が不思議そうな顔で眺めている。

「みかん」

「ミミ殿、コレはゆずです」

「大きいみかんですね」

「ヤギ殿、ゆずです」

そっか狐は日本由来だからゆずわかるのね。


夕食前にゆずを風呂釜に放り込んでおき、皿を洗っている間に悪魔と羊を湯船に突っ込む。

「ヤギ殿も湯を食むのですね」

「知らない」

「えぇ…」

狐にしっかり引かれた気がした。


「ニンゲン!このみかんはすごいです、ぽかぽかです!」

風呂から上がった悪魔は先ほどまでと打って変わってテンションが高い。

「冬にゆず湯つかるとあったまるでしょ」

「はい!」

また部屋の隅で震えられても困るからね。

「ところで羊は?」

「このみかんは食べづらいですね、皮が固いです」

悪魔の後ろから、先ほどまで湯船に浮かんでいたであろうゆずを食べている羊。

…汚い。


ウチには羊が居る。

予想より、食い意地の張った羊が。

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