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悪魔がウチにおりまして・776

ウチには悪魔がいる。

なんかキメの荒い悪魔が。


「ニンゲン、変態なのです!」

「そういう定番なボケ良いから」

この程度で怒らなくなったのは成長でしょう。

「ニンゲン、すでに殴ったヤツのいうこっちゃ……なんでもありません」

よろしい、拳を引きましょう。

「ところでなんで白黒なの?」

周囲を見回すと、全体的にモノクロ。というかまんま。

「何言ってるですー、いつも白黒で色なんか付いたことないじゃないですかー」

やめなさい、見栄張りたい時もあるでしょう。

「ここはテレビの中じゃよ、お若いの……」

ここにきて新キャラか!と思ったけど居たのは白いひげを付けた羊。

「違います!コレ黄色です!」

白で良いのよ、見えないんだから。

「はい、黄色いおひげのお羊さん。ここどこなのよ」

「テレビの中です!」

それはさっき聞いたんだって。

「つまり……今は昭和ということですか!」

やめなさい、悪魔!致命傷を負う人が出てくるから!

「そうです、今は亡きブラウン管テレビ……」

「ぶらうん管?」

テレビに、管って何?

悪魔、無言で私の頭にスリッパを乗せてくる。

なんでよ!というかどこから出したの、スリッパ!

「ニンゲン、ウソはいけません……というかボクちょっと傷付きました」

悪魔が本当に寂しそうな顔してる。知りません。

「そんな傷付いている前にさっさと抜けましょう。アンタの動きラグってるんですから」

「古き良きを理解しえぬ邪悪ですー……」

昔のテレビってラグあったのかしら?

「そうは言ってもいきなり出られるなら入っていないでしょう」

最近奇妙な場所に行き過ぎて行き来が簡単と思っている節はある。

「仕方ありません……これは使いたくなかったのですが……!」

羊がお腹をもぞもぞ探っている。

「どこでも」

「はーい、止めましょうねー!」

テレビの中だからってやって良いことと悪いことがある!


テレビには悪魔がいる。

「ところで出れないの?」

「コンセント抜くしか考えてません」

私たち消えるじゃない!?

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