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悪魔がウチにおりまして・74

ウチには悪魔がいる。

少し?食い意地の張っている悪魔が。


いつものようにご飯を食べ終わり、食器を片付けていると悪魔が叫び声をあげる。

「ニンゲン!ここに有ったプリン!知りませんか!」

「捨てたけど」

悪魔、固まる。

「捨てたですとぉ!?」

「だって賞味期限が昨日で切れてたし。お腹壊しても嫌でしょう?」

「賞味期限は味なのです!メーカーの責任の及ばないところであれば、美味しく自己責任で食べれば構わないのです!」

おー、正しい知識仕入れてるなー。偉いぞー。

悪魔が現代言葉を正しく使っているのに新鮮味を感じる。

「ネットで調べたのです!賞味期限は切れる直前、もしくは切れた後が一番美味しいって」

「そのサイト、見せなさい」

スマホをふりふり憤慨する悪魔の手から奪い取ると、そこには確かに賞味期限切れ食材を食べてイケるかイケないかをジャッジする配信者の動画があった。

「…コレ、見たらダメなやつよ?」

「なんでですか!この人の動画でどれも期限切れのほうが美味しいって…」

そっかー。

ネットに慣れていないとこうなるのかー。

「ねぇ、悪魔。このパフォーマンスどう思う?」

私は動画をトップまで戻し、コーラを一気飲みする動画を一緒に見る。後ろから狐も覗いている。

「この修行はすごいですよね!それがちでは幾たび挑戦ちても半分も…」

コイツもか。

「コレ、全部炭酸抜いてるの。だからジュース一気飲みと同じ。真似してコーラでやったら死んじゃうよ?」

「「えぇ!?」」

余りの声の大きさにクモが飛び降りてきてあたりを見回している。

小さい子を驚かさないの。

「そーゆーエンタメなんだから。ちゃんと作ってくれた人のためにわざわざ腐らすなんてダメ。わかった?」

「はぁい…ぷりん…」

しょんぼりと肩を落とす悪魔。

「ちゃんと反省しているなら、スーパー行こ?みんなの分も欲しいでしょ?」

落ち込む2匹は顔を上げてぱぁと明るくなる。

「ニンゲン、腐らせるのはダメなのですよね?」

「うん、わざわざ悪くしても美味しくは…」

「…腐り豆はいいのですか?」

久しぶりに聞いた、その呼び方…。


ウチには悪魔がいる。

未だに好物が納豆の悪魔が。

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