表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
754/1161

悪魔がウチにおりまして・743

ウチには悪魔がいる。

どんぶり飯をもりもり食べている悪魔が。


「ニンゲン!お替わり!」

「自分でよそいなさい」

お替わりなら自分、しかも5回目でしょ。

「ミミ君、久しぶりじゃないです?そんなにご飯を食べるのは」

羊が目の前にあるサンマに大根おろしを乗せて醤油を垂らす。

対する悪魔はサンマのかば焼き缶をご飯に乗せて平らげたところだ。

「毛を生やすにはたくさんのエネルギーが必要なのです!」

まだ腰の毛、生えてなかったの?

「そんな単純な身体で羨ましいですね」

羊がシレっとディスりながら大根おろしだけを口に運ぶ。

「羊さん!ボクは単純じゃありません!なので毛を食べずにお米を食べているのです!」

確か、毛って消化できないからお腹に溜まるんじゃなかった?

「それは失礼しました」

羊、慌てず騒がす大根をおろし始め……どんだけダイコン好きなのよ。

「それにしても新米になると美味しいですねぇ、ごはんが止まりません」

再びどんぶりメシを盛ってきた悪魔はホクホクとしながら煮汁の余った缶に米を入れている。

「ミミ君、その品の無い悪魔的食べ方は!」

この食べ方日本的だと思うけどなぁ。

「ふふん!おじょーひんな羊さんには真似できないでしょう!ニンゲンこんな画期的な食べ方、初めてでしょう!?」

「ねこまんまでしょ?」

その場合は味噌汁だったっけ?

でも似たような物でしょ。

「ね、ねこまんま……?そ、それはどんな食べ物です……?」

悪魔が目を丸くしている。

羊は気にしないようにしているけど聞き耳……というか角を外して興味津々。

「ご飯に味噌汁かけるだけ。まぁあまりお上品じゃないのはそうだけど」

悪魔は自分のどんぶりと味噌汁を何度か見返している。

「……ニンゲン、ねこまんま、食べたいです」

やればよろしいに。

「ミミ君!あなたはネコに……ネコに堕ちるというのですか!」

ふむふむ、悪魔族的にはネコは堕ちる側なのね。

「ボクも悔しい……でも!味の探求はアドベンチャーなのですー!」

悪魔は叫びながらどんぶりにワカメの味噌汁をかけるのだった。


ウチには悪魔がいる。

「ニンゲン、ネコになりたいです……」

これからネコって呼ぶ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ