表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
745/1161

悪魔がウチにおりまして・734

ウチには悪魔がいる。

二日酔いででるでるな悪魔が。


「……アンタ、悪魔よね?」

「ニンゲン……お水ー……ボクはもうダメなのですー……」

リビングのテーブルに突っ伏して手を伸ばしている悪魔。

何?取ってこいと?

「ボクは苦しいのですー、労われー」

顔も上げずにお口が悪くなる。

「えっと、トンカチはっと」

「ニンゲンさん、鬼ですか?」

のほほんとしていた羊が遠慮なく引いている。

「それならあなたが取りなさい」

私はポテチ食べるので忙しいのです。

「それを俗にヒマと言います。仕方ありませんねぇ」

羊がキッチンに向かっていく。

「ヒトでなしー」

助けなかっただけでそこまで言うのか、この子は。

「昨日、飲みすぎるなって言ったでしょうよ」

「飲み過ぎですかねぇ……」

昨晩、酒を大量に買い込んできたのは見てた。

それをどれくらい飲んだのかしら?

「えっとー、ワインとビールとハイボールと焼酎だけですー」

ちゃんぽんって悪酔いするって本当なんだね。

「ほら、ミミ君。迎え日本酒です」

羊がトドメを刺しに来た!

「ありがとうですー……これは、六海山!」

二日酔いで利き酒をするんじゃない。

「ミミ君、やっぱりまだまだですね。それ水です」

お酒と水を間違えるくらい深刻ってことなんじゃないの?

「あーうー。もう寝るですー」

のそのそと部屋に戻っていく悪魔。

「ペットボトル持っていきなさいー」

一応声をかけたんだけど聞こえているのだろうか。

「あの子があんな酔っぱらうのって珍しいわね」

「最近悩んでいるみたいで」

……悪魔って悩むの?

「なんか失礼なこと考えてそうな顔してますけど。私たちも生きてるんですからね」

知ってはいるけど。

あの子の性格上そんなお酒に逃げるほどの悩みがあるとは思わないじゃない。

「ああ見えて責任が大きいですからね。特に今は新人が生意気になってくる時期。上司は辛いですね」

羊が遠い目をしてるー。

「ねぇ、羊。悪魔ってコロッケ好きだったっけ?」

「……好きだと思いますよ、きっと」

……羊がにっこり微笑んでいるのが気に食わないけど。


ウチには悪魔がいる。

「二日酔いに揚げ物はきついですー」

結局時間をかけて、コロッケを10個も食べた悪魔が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ