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悪魔がウチにおりまして・71

私は洞窟に居る。

やっぱりここに出たかー。


さっきまで砂漠を歩いていた私たち。

砂の窪みを見つけて入っていくと、そこは洞窟になっており、青い水で満たされていた。

「ニンゲンの心はよくわかりません」

この場所が心を映す場所なのだとしたら私は納得するものの、他の者たちが理解できるわけもないか。

「ねぇ、悪魔。ここを出るには何をすればいいんだっけ」

「自分が向き合いたくないことに打ち克つことですね」

やっぱりかぁ。

「悪魔、ここで見たこと内緒にしてね」

「どういう…」

悪魔の返答を待たずに水に向かって進んでいく。

そのまま水の上を歩いて泉の中心に立つ。

手をかざすと水が渦を巻きながら手に向かって登ってくる。

手に触れる刹那、そのまま前に払うと水が前方に弾けて再び集まっていく。

その水はどんどん増えて大きな両開きの扉になる。

しばらく手をかざして扉が安定し始めたことを確認すると手を閉じて水を固定する。


扉に近付く。

ぎぃと重い音を鳴らしながらゆっくりと開く。

中には光が溢れているが、出られるでしょう。

「出られるよ、悪魔こっちに来て」

悪魔が水の上に足を乗せるとそのまま沈んでしまう。

仕方なく濡れることもいとわず泳いでくる。

私の足元にたどり着くと抱きかかえた。

「ニンゲン、あなた何者ですか」

怯えではなく。

興味でもなく。

純粋な疑問。

「私はニンゲンだよ。ニンゲンで居させて?」

そう答えることが精いっぱいだった。

悪魔はそれ以上なにも言わなかった。


「出られたらさ、ジンギスカン食べようね」

「いいですね、活きのいい羊を絞めましょう」


扉の中、光に進んでいくとそこは普段の部屋…ではなく、今度は火山地帯だった。


「「は???」」


この後私たちは都合7回扉を探す羽目になるのでした。


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