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悪魔がウチにおりまして・722

ウチにはイモ虫が居る。

頭に10円玉を乗せたイモ虫が。


「……連日虫が湧いてるの、問題かしら」

もちろん、このイモ虫はホウ酸団子を置こうがホイホイしようが居続けるだろうけど。

「イモ虫さん、イモ虫さんお答えください」

悪魔がお決まりの呪文を唱えているんだけど……いいの?

ちらりと狐を見てみるとしかめっ面をしている。

「まぁ、本物が来るよりまちでしょう」

狐界隈にもいろいろあるのねー。

「イモ虫さん、イモ虫さん。今夜のおかずはなんですか!」

そんなしょーもないことを儀式で聞くな。

悪魔の問い掛けを聞いたイモ虫は50音表を駆けまわる。

「こ、ろ、つ、け。コロッケ!ニンゲン、今夜のおかずはコロッケですね!」

「合ってるけどさ」

そんなしてやったりの表情で言わなくても。

「まぁカレンダーに書いてありましたので」

このイモ虫、姑息だぞ!?

「イモ虫のご飯はカプサイシンよー」

「なぜ成分!?」

駆除には直接かけるのが最適だから?

「ニンゲンー、今日はイモちゃん働いてくれてるです。やるのは明日以降で」

「止めて!?」

悪魔とイモ虫の関係性、荒んでるなぁ。

「ニンゲンさん!今日のみーはなんか物知りのような気がします!みーのことをイーモネーターと言ってください!」

その名前、最後溶鉱炉に沈まない?

「イーモネーターさん、イモさん。ボクの収入を増やす方法は何ですか」

言うの、途中で面倒になってるじゃないの。

「は、た、ら、け。働きたくないから聞いてるです!」

力の限り叫ぶんじゃない、恥ずかしい。

「ミミ殿、またクレカで無駄遣いですか?」

なんで悪魔がクレカ支払いに追われてるんだか。

「仕方ないのです!この時期限定のバウムクーヘンがいけないのです!」

あー、栗?芋?秋のスイーツって美味しいわよねぇ。

「た、へ、てんてん、す、き、てんてん。イモちゃん、聞いてないのに動くなです!」

イモ虫、カプサイシンは止めてあげましょう。

「で、この頭に乗せられた10円はいただけるんですよね?」

みみっちいな、イモ虫!

「それならイモちゃん帰って良いですー」

せこいな、悪魔!


ウチではケンカが始まっている。

たった10円を争う、醜いケンカが。

「あー、巻き菓子おいち」

狐、それ悪魔のバウムクーヘンじゃないの?

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